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30年で急成長遂げたファーウェイ、なぜ欧米は警戒-QuickTake

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  • 2019年の売上高目標、約13兆4500億円-米ボーイングより多い
  • ファーウェイによる独自の半導体設計は、クアルコムへの直接的脅威
Huawei Founder Breaks Silence To Deny Spying
Photographer: NurPhoto/NurPhoto
Huawei Founder Breaks Silence To Deny Spying
Photographer: NurPhoto/NurPhoto

第5世代(5G)移動通信規格でリードを狙う中国の華為技術(ファーウェイ)に対し、米国およびその同盟国による圧力が高まりつつある。カナダで孟晩舟最高財務責任者(CFO)が拘束され、米司法省はファーウェイを企業秘密窃取の罪などで起訴した。米中貿易戦争のただ中で同社を巡る論争が続き、トランプ米大統領は特に中国のテクノロジー企業を警戒している。

1.米政府にとってファーウェイの何が問題か?

  中国で優遇されているファーウェイについて、米国の政府当局者や業界幹部は以前から同社が中国政府の利益のために活動しているとの疑念を抱いている。米下院情報特別委員会が2012年に公表した報告書は、潜在的なセキュリティー懸念をもたらすとし、ファーウェイおよび同業の中国企業、中興通訊(ZTE)を名指し。ファーウェイを1987年に創業した任正非最高経営責任者(CEO)の人民解解放軍時代の経歴を完全に開示することを同社が拒んでいるとも指摘した。

  一部のファーウェイ従業員は人民解放軍の研究プロジェクトに協力している。トランプ政権が2018年、当時シンガポールに本社があったブロードコムによる米半導体メーカーのクアルコムに対する敵対的買収を阻止した背景にあるのは、米政府のファーウェイを巡る懸念だ。買収が成立していれば、米国の半導体・移動通信向け投資が縮小し、この分野での世界的なリーダーシップがファーウェイに移っていた可能性もある。

2.トランプ政権は何をしたのか?  

  対応は揺れている。まずはファーウェイによる米国での販売の抑制に動いた。それから、商務省が5月17日に発表したブラックリストを通じ、ファーウェイが米国のサプライヤー企業から部品を購入するのを事実上禁じた。クアルコムやインテル、アルファベット傘下グーグルなどはすぐに重要なソフトウエアと部品の供給凍結を始めたが、6月末に米中首脳が通商交渉再開で合意し、トランプ大統領は米企業にファーウェイ向け販売の再開を容認した。

  トランプ大統領はファーウェイ製5G機器輸入禁止を解除するとは述べていないが、シューマー民主党上院院内総務やマルコ・ルビオ上院議員(共和)ら安全保障に関するタカ派の連邦議員らは規制の一部緩和を批判している。
 

3.なぜ5G通信機器が問題なのか?

  中国や他の国々も同様だが、米政府は機器メーカーが外部者に情報アクセスを許す抜け道「バックドア」を施し、母国の政府に通信データを引き渡す可能性があるとの懸念から、極めて重要な通信事業で外国製テクノロジーを採用することを警戒している。英通信会社ボーダフォンは2011年と12年に同社のイタリア事業で使っていたファーウェイ機器にバックドアがあったことを突き止め、問題を解決していたことが関連文書や関係者の話で分かっている。

4.ファーウェイ側の言い分は?

  ファーウェイは、中国政府による他国の政府・企業に対するスパイ活動を同社が手助けしているとの疑惑を繰り返し否定している。またそうした疑惑を裏付ける証拠を誰も示していないとも主張。以前は公の場に姿を見せることが少なかった任CEOは最近、積極的に発言し、自身の娘である孟CFO逮捕を含め同社に突き付けられた数々の問題から会社を守ろうとしている。ファーウェイは今年3月、反撃の一環として、同社製品が一部の通信ネットワークから不当に排除されたとして、米政府を提訴した。

ファーウェイ創業者の任CEO

Source: Bloomberg)

5.ファーウェイはどれくらいの規模なのか?

  わずか30年間で、電子機器の再販会社から世界最大級の民間企業となり、アジアと欧州、アフリカで通信機器とスマートフォン、クラウドコンピューティング、サイバーセキュリティーの分野をリードしている。19年の売上高目標は1250億ドル(約13兆4500億円)で、住宅用品小売りの米ホーム・デポや航空機メーカーの米ボーイングよりも多く稼ぐ見通し。5G関連で巨額の資金を投じるファーウェイは、国内外の特許申請で中国トップクラス。10カ国以上で5Gネットワーク構築に関与し、20年までにはさらに20カ国で5Gを手掛ける見込みだ。

  ファーウェイによる独自の半導体設計は、クアルコムへの直接的な脅威となっている。子会社ハイシリコンを通じて展開するモバイルプロセッサー「キリン」シリーズは、韓国のサムスン電子などスマホの世界的ブランドが採用しているクアルコムの「スナップドラゴン」と競合する。サーバー用半導体で主導権を握る米インテルに対して、ファーウェイは「鯤鵬(Kunpeng)」で挑んでいる。

China's President Xi Jinping Visits Huawei Technologies

中国の習近平国家主席(左)と任CEO(右)

Photographer: Matthew Lloyd/Pool via Bloomberg

原題:How Huawei Became a Target for Governments: QuickTake(抜粋)

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