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コマツ社長、逆風の石炭依存度を軽減へ-鉱山向け機械は銅などに注力

  • 脱炭素化の流れでリスクはある、鉱山向け売上高の半分が石炭関連
  • 米中貿易摩擦の影響で足元の中国市場は減速しており動向を注視

コマツは売上高に占める石炭鉱山向け機械の比率を引き下げる方針だ。二酸化炭素(CO2)排出量の多い石炭火力発電が敬遠されるなど地球温暖化対策で脱炭素化の動きが世界的に加速する中、電気自動車(EV)に欠かせない銅やニッケルなど他の資源開発向け機械の開発、販売に注力する。

Komatsu Ltd. CEO Hiroyuki Ogawa Interview

小川啓之社長

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  小川啓之社長が6月26日、ブルームバーグとのインタビューで明らかにした。2019年3月期では、油圧ショベルやダンプトラックなど同社の鉱山機械の売上高のうち49%が石炭鉱山向け。「石炭のリスクはあるので、依存度を減らしていかないといけない」との考えを示した。

  石炭事業を巡っては撤退や縮小が相次ぐ。コマツの顧客でもある世界2位の鉱山会社リオ・ティント・グループは昨年、資源メジャーで初めて石炭事業から完全撤退した。三井物産が発電用石炭事業への新規投資を行わない方針を示すなど、総合商社の間でも事業縮小の動きが広がる。今年5月には三菱UFJフィナンシャル・グループが新規の石炭火力発電所への融資は原則として行わないと発表した。

  小川社長はEV普及に伴い需要拡大が見込まれる銅やニッケルのほか、価格が上昇している金などの鉱山向け機械の売り上げ比率を伸ばす方針を示した。鉱山開発の現場でも顧客ニーズの高い、環境に優しいハイブリッドなど電動化に対応した機械の開発も検討する。

  一方、アジアなどの新興国では火力発電所が立ち上がり、今後も一定の石炭需要が見込まれることなどから、石炭鉱山向けの機械販売から撤退する考えはないとも語った。

中国市場は貿易戦争の影響受ける

  コマツは建設・鉱山機械市場で米キャタピラーに次ぐ世界2位のシェアを誇る。17年に米ジョイ・グローバルを約3000億円で買収し、坑内掘り市場に参入した。銅などの鉱山開発は採掘が進んだ結果、今後は地表から採掘する露天掘りから、坑道を掘って採掘する坑内掘りへと移行するとみている。買収により需要増が見込まれる坑内掘り向け機械の開発面での相乗効果も狙う。

Komatsu's Load-Haul-Dump

坑内掘り機のLHD

Source: Komatsu

  米中貿易摩擦に揺れる中国の建機市場については、足元で影響が表れていると指摘。外資企業と現地メーカーを含めた中国全体の油圧ショベルの販売台数は5月に前年同月比6%減と、約3年ぶりの減少に転じたという。中国経済の減速が顕著になれば、資源需要の減退にもつながるため警戒を強める。

  一方、「中国は景気対策を打つと言っているので、需要減が一時的なものかどうかはよく見ていかないといけない」とも述べた。20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に合わせて先月29日に大阪で行われたトランプ米大統領と中国の習近平国家主席との首脳会談では、米国が3000億ドル(約32兆3600億円)相当の中国製品への追加関税発動を先送りし、貿易交渉の再開で合意した。

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