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サウジの米国債購入、どの国よりも急ピッチ-トランプ大統領就任後

  • トランプ氏とムハンマド皇太子は親密、記者殺害事件などがあっても
  • 米国債保有拡大はサウジにとってメリットしかない

トランプ米大統領とサウジアラビアのムハンマド皇太子の親密さは今までに十分裏付けられただろう。親しげな写真や、米国製武器のサウジへの大口売却があったほか、サウジ出身ジャーナリストだったジャマル・カショギ氏の殺害事件に同皇太子が関与したことを示唆する証拠をトランプ大統領が軽視する姿勢も見られた。

  これまであまり認識されてこなかったのは、サウジが米国債購入にいかに熱心であるかということだ。

  2016年の大半の期間に米国債保有を減らしたサウジだが、同年11月の米大統領選でトランプ氏が当選して以降、減少分をはるかに上回る規模の米国債購入に動いた。最新の統計によると、サウジの米国債保有は1770億ドル(約19兆2000億円)と、ほぼ倍増。これよりも急ピッチで米国債を積み上げた主要債権国はない。

  これは偶然だろうか。そうかもしれない。サウジの米国債保有拡大のタイミングについて、政治的対価を伴わない幾つもの説明を思いつけるだろう。原油輸出収入の増加やリスク回避、マイナス利回りの債券からの投資シフトなどだ。

  理由が何であれ、次のことは明白かもしれない。意図的でないとしても、諸問題で批判を受けるサウジが擁護してくれる最重要同盟国に金融で手を差し伸べることはメリットでしかない。特に中国が貿易戦争の報復で米国債保有縮小を検討しているかもしれないとの観測が5月に浮上した後ではなおさらだ。ただ米中は先週末に大阪で開催された20カ国・地域(G20)首脳会議で休戦した。

Merkel’s Health Under Spotlight at G-20 After Shaking Spells

大阪で開催されたG20首脳会議での写真撮影で、会話を交わすトランプ大統領とムハンマド皇太子(6月28日)

写真家:Kim Kyung-Hoon /ロイター通信

  外交問題評議会(CFR)の特別研究員を務めるマーティン・インダイク氏は「相互に利益がある関係だ」とし、米国債購入は「関係の親密さの表れ」かもしれないと指摘した。

  サウジの通貨庁(SAMA)はコメント要請に返答しなかった。

Quid Pro Quo?

原題:Under Trump, Saudis Are Buying Treasuries Like No Other Nation(抜粋)

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