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パイロット悩ませた啓徳空港、跡地で香港最大級の不動産開発進む

  • 格差拡大も浮き彫り-かつては庶民の暮らしぶりが機内からのぞけた
  • 現在の空港が98年に開業するまで香港唯一の商業空港だった

香港の九竜地区にかつてあった啓徳空港は、航空機が住宅の屋根をかすめるように着陸していくことで有名だった。その空港跡地では今、香港最大級の不動産プロジェクトが進んでいる。

  華潤置地と保利置業集団は先週、1つの区画に129億香港ドル(約1790億円)を支払った。香港政府が今年1-6月に売却した住宅用地の6割近くを買い入れた中国本土系の不動産開発会社にとって、前代未聞の金額だ。

Hair-Raising Hong Kong Airport Now Home to High-Rise Condos

啓徳空港の跡地と周辺で開発が進む

写真家:Eduardo Leal / Bloomberg

  ニューヨークのセントラルパークほどの面積で、ビクトリアハーバーに突き出た啓徳は、香港島と向かい合う。世界で最も人口密度の高い都市の1つである香港。その中心部で最高級の不動産物件を大規模開発できる機会自体まれだが、香港の所得格差拡大をも浮き彫りにしている。

  新鴻基地産発展(サンフンカイ・プロパティーズ)は昨年、単一区画に252億香港ドルを支払ったが、これは不動産コンサルティング会社ナイトフランクのエグゼクティブディレクター、トーマス・ラム氏によると、床面積1平方フィート当たり2265米ドル(約24万6000円)となり、ベッドルーム2室の物件が恐らく約250万米ドルの価格で販売されることになる。ニューヨークのアッパーイーストサイドのベッドルーム3室の住宅とほぼ同じ値段だ。

  不動産サービス会社サヴィルズのリサーチ・コンサルタンシー責任者サイモン・スミス氏は「この種の評価額を踏まえると、このエリアが特に手頃な住宅の提供地となることはないだろう。恐らくミドルクラスか高級住宅向けだろう」と話す。

Location, Location

Hong Kong’s old airport is now the city’s largest urban property project

Source: Google Earth

  サヴィルズのデータは、啓徳が2013年の土地販売開始以降、香港政府の財政に1730億香港ドル貢献したことを示している。ナイトフランクは、残っている土地は1110億香港ドルの値を付けると推計している。

  このプロジェクト全体の完了は20年代半ばのいずれかの時点で、政府は9万人が住むと想定。それ以外にもホテルやオフィスタワーが並び、最新のスポーツ競技場や公園も建設される予定だ。

A Cathay Pacific Boeing 747 lands at Kai Tak airport in

啓徳空港に着陸する航空機

写真家:Gerhard Joren / LightRocket via Getty Images

  啓徳は1925年から、ランタオ島に赤鱲角空港、つまり現在の香港空港が98年に開業するまで香港唯一の商業空港だった。パイロットには世界で着陸が最も難しい空港の1つとして知られ、着陸間近の機内からは庶民の暮らしぶりがのぞけ、近隣の家々の屋根は飛行機好きのたまり場と化していた。

Hunting for Land

New land supply for private housing development is the lowest in eight years

Source: Bloomberg Intelligence, Hong Kong government

Note: Data for fiscal year ended March.

原題:Hair-Raising Hong Kong Airport Now Hot Property for Developers(抜粋)

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