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米中貿易休戦で成長は救われるか-市場は歓迎もエコノミストは懐疑的

  • 米は貿易措置をエスカレートさせないと約束してはいない-ANZ
  • 緊張が大きく緩和されたわけではなく、一時的凍結にすぎず-シティ
CHINA-STOCKS
Photographer: JOHANNES EISELE/AFP
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Photographer: JOHANNES EISELE/AFP

米中関係はトランプ米大統領と習近平中国国家主席の週末の会談によって改善したように見え、金融市場はこれを歓迎した。しかしエコノミストは懐疑的だ。

  両首脳は20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせて会談。トランプ大統領は会談後に、3000億ドル(約32兆4800億円)相当の中国製品への追加関税賦課の延期と華為技術(ファーウェイ)に対する米企業の禁輸措置緩和を発表した。

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習近平主席(右)とトランプ大統領(6月29日)

写真家:Brendan Smialowski / AFP via Getty Images

  これを好感し、7月1日午前のアジア市場では株価が上昇、米株価指数先物と人民元が値上がりし、米国債と金、円は下落した。

  しかしエコノミストらは米中首脳会談後のリポートで、いわゆる「休戦」が世界の貿易と成長を救うと考える理由はほとんどないとの見方を示した。

  オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)の大中華圏チーフエコノミスト、レイモンド・ヤン氏は6月29日のリポートで「2018年12月の前回G20首脳会議についてのリポートを、日付だけ変えてそのまま使えそうだ」とし、「米国は再び中国の農産物輸入と引き換えに新たな関税を延期した。しかし、米国は貿易についての措置をエスカレートさせないとは約束していない」と記述した。

  シティグループ・グローバル・マーケッツのエコノミスト、セザール・ロハス氏とグローバルチーフエコノミストのキャサリン・マン氏は6月30日のリポートで、「米中休戦は当社の予想通りだったが、覚えておくべき重要な点は投資家も政策当局も貿易について安心すべきではないということ。緊張が大きく緩和されたわけではなく、次の展開まで一時的に凍結されただけだ。現行の関税と潜在的なエスカレートを巡る不確実性に伴う実体経済への影響は続いている」と指摘した。

  INGの国際貿易分析責任者ラオル・リーリング氏と大中華圏エコノミストのアイリス・パン氏も30日のリポートで、「米国も中国も、5月の物別れの原因となった意見不一致のいずれについても解決に近づいたとは言っていない」記した。

原題:Economists Are Skeptical That Trump-Xi Truce Will Rescue Growth(抜粋)

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