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米中首脳が休戦合意でも米利下げ観測は消えず-交渉の行方に不確実性

  • 米国が追加関税発動をを控えても、既存の関税は有効
  • 交渉でさらなる番狂わせの可能性、利下げ観測の修正を抑制か
JAPAN-G20-SUMMIT
Photographer: BRENDAN SMIALOWSKI/AFP
JAPAN-G20-SUMMIT
Photographer: BRENDAN SMIALOWSKI/AFP

債券市場の米利下げ観測が大幅に後退するには、トランプ米大統領と中国の習近平国家主席が多少の友好的な言葉を交わす以上の要素が必要かもしれない。

  米中両国は6月29日に貿易戦争の休戦を宣言した。大きく報じられたが、詳細は不足している。大阪で開かれた20カ国・地域(G20)首脳会議から発せられた前向きなニュースはリスク選好を少なくとも最初は支えるだろうが、依然として未解決の貿易問題と経済見通しを巡る不確実性が再び投資家のセンチメントを曇らせる恐れがある。

  米中首脳の握手よりも、7月5日発表の6月の雇用統計が米経済の実態についてさらなる証拠を提供しそうだ。そして先週末のイベントは貿易面だけでなく、北朝鮮中東欧州連合(EU)などを巡る問題で緊張が残っていることを思い出させたにすぎなかった。

  アジア太平洋時間7月1日早朝、円など資金逃避通貨が下落した一方、人民元や資源国通貨が上昇した。株式や商品などの市場もリスク先行の高まりから恩恵を受ける可能性がある。しかし、5月に米中の緊張が再びエスカレートした痛手がまだ癒えない中、債券トレーダーは市場に織り込まれた米金融緩和観測を大幅に後退させるのには消極的かもしれない。

China's currency gained in Monday trading after Trump-Xi truce

  クレディ・スイスの外為ストラテジスト、アルビーゼ・マリノ氏は、「過去2カ月間に起きたことを考えれば、交渉でさらに多くの番狂わせが発生する可能性を全く織り込まずにいるのは不安だろう」と述べた。

  先週末にかけて先物トレーダーは、米金融当局が向こう1年で約1ポイントの利下げを実施すると見込んでいた。7月の0.25ポイントの利下げは100%の確率と市場に織り込まれており、0.5ポイントを予想する向きもあった。
 
  トランプ大統領は習主席との会談後、中国の輸入品3000億ドル(約32兆5000億円)相当への追加関税発動を先送りすると発表し、交渉を再開するため中国側に譲歩した。トランプ大統領はまた、華為技術(ファーウェイ)に対する禁輸措置を緩和し、米企業に同社への製品売却の再開を認めると述べた。

関税の脅威

  両国は交渉の場に戻るが、5月に大部分が発動された中国製品約2500億ドル相当への米国の関税は残る。5月10日に交渉が中断されて以来、トランプ大統領は中国製品2000億ドル相当への関税を10%から25%に引き上げたほか、G20首脳会議前には中国から輸入するスマートフォンや子供服を含む3000億ドル相当の製品全てに10%の関税を賦課することが次のステップになると示唆していた。

  カナディアン・インペリアル・バンク・オブ・コマース(CIBC)の外為戦略北米責任者、ビパン・ライ氏は、既存の関税が残ることを考えれば、トレーダーはインフレ圧力が上向かない限り、米金融緩和観測を弱めることには後ろ向きになる公算が大きいと予想。「市場に友好的な結果にもかかわらず、古い関税はまだ有効であり、G20声明は保護主義を依然として非難しなかった」と指摘した。

原題:Fed Cut Bets Won’t Vanish Just Because Trump and Xi Played Nice(抜粋)

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