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「時短」を成長の糧に、オイシックスが物流拠点を増強へ-高島社長

  • 北米の買収事業の効率改善へ-2年以内にキャッシュフロー黒字化
  • ビーガンのミールキット、年内にも国内でも販売開始へ

国内で有機野菜や調味料などが入ったミールキットの宅配事業を展開するオイシックス・ラ・大地(オイシックス)は、利用者の増加に対応するため、物流拠点の規模の大幅な増強を計画している。高島宏平社長が先月、ブルームバーグとのインタビューで明らかにした。

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オイシックスの高島社長

NOTE: EDITORIAL USE ONLY. NO SALES. NO ARCHIVING. Kohei Takashima. Source: Oisix Ra Daichi Inc.

  神奈川県海老名市にある同社最大の物流拠点はフル稼働しており、現在は近隣のスペースなども借りて一部を手作業で行っているという。7月からはNTTドコモとミールキットの宅配で協業を始めるため、注文が増加することが想定されている。

  同拠点では年300億円規模の注文を処理できるのに対し、この2倍以上の能力を持つ拠点の整備を進め2022年3月期中に稼働させたい考え。場所や投資額などは未定で、今後取締役会で詰めるとしている。

売上高は急増

  5分で作れる有機野菜のビビンバ、7分で出来上がる無添加のミネストローネなど、健康な食事を誰でも短時間で調理できるようなミールキットの提供を目指す同社。共働き世帯の増加に伴って広がった「時短」の需要を取り込んだことで、前期(19年3月期)の売上高は640億円と2年間で約3倍増となった。

  今期(20年3月期)には企業買収で北米市場に進出したほか、国内では「ディーン・アンド・デルーカ」ブランドで雑貨やカフェを展開するウェルカムに追加出資して持ち分法適用会社にするなど事業を拡大している。米国で買収したスリーライムズは、肉だけではなく卵や乳製品など動物由来の食品を一切口にしないビーガン向けのミールキット「パープルキャロット」を提供している。

  高島社長は、北米事業では今後オペレーションを改善することで配送ミスなどを減らし、増加傾向にある顧客層をさらに拡大させることで、1-2年内のキャッシュ・フロー(CF)ベースでの黒字化を見込むと述べた。

ビーガン市場をつくる

  同社は国内でも年内にビーガン向けのミールキット販売を開始する予定だ。パープルキャロットのレシピを国内向けに導入する。高島社長によると、国内ではビーガン市場がまだ発展しておらず、トレンドを「僕らが作る」と意気込む。健康志向が強まる中、時には野菜のみを使用した食事を取る「テンポラリービーガン」を広めたいと語った。

  元米コンサルティング会社のマッキンゼー・アンド・カンパニーのコンサルタントだった高島社長は2000年、大学時代の友人とインターネットと食をつなぐ「いままでにないビジネス」を志してオイシックスを立ち上げた。その思いは今も変わっていない。

  「忙しくて買い物に行けないお母さん」や「買い物できない高齢者」など食に関連する課題は枚挙にいとまがないと語る。そのほかに「病気の時の食事はどうしたらいいかとか、料理を勉強したい時にはどうしたらいいか」といった課題があるとし、問題解決が事業の機会になるとの認識を示した。課題ごとに異なるブランドを展開し、数百億円規模の事業がいくつも並ぶような戦略を描いているという。

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