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自由貿易の原則維持で一致、反保護主義盛り込まず-G20首脳宣言

更新日時
  • 世界経済のリスクは下方に、対処にさらなる行動の用意ある
  • 為替は通貨の切り下げ競争回避を再確認-WTO改革を支持

日本が初めて議長国を務めた20か国・地域(G20)首脳会議(サミット)は29日午後、首脳宣言を採択して閉幕した。宣言では自由貿易体制を支える基本原則の維持に向けて各国が努力することで一致した。保護主義に反対する姿勢を示した文言は2年連続で盛り込まれなかった。

  首脳宣言では「自由、公平、無差別で透明性があり、予測可能な安定した貿易および投資環境を実現し、われわれの市場を開放的に保つよう努力する」と明記した。

Key World Leaders Attend the Second Day of the G-20 Summit

G20サミットで議長を務めた安倍首相

Photographer: Kazuhiro Nogi/Pool via Bloomberg

  米中貿易摩擦が深刻化する中で行われた28日の討議では、多くの出席者が両国の緊張の高まりに懸念を表明。安倍晋三首相も「貿易制限的な措置の応酬はどの国の利益にもならない」と世界貿易の現状に憂慮を示していたが、29日の議長国会見では、「自由貿易体制を支える基本原則で一致できた」と語った

  閉幕直前に開かれた米中首脳会談では、米中両国が通商交渉の再開で合意した。トランプ大統領は会談後の記者会見で、「中国への新たな関税は当面見送りことを確認した」と発言。中国国営の新華社通信は、習近平国家主席が会談で貿易摩擦は対話を通じて解決されるべきだと述べたと報じた。

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  世界経済については今年後半から2020年にかけて緩やかな回復が見込まれているとしながらも、成長は低水準の状態が続いており、「リスクは依然として下方に傾いている」と指摘。「貿易と地政を巡る緊張は増大してきた」とし、これらのリスクに対処し続けるとともに、さらなる行動をとる用意があるとの姿勢を明確にした。

  為替相場に関しては、昨年3月のアルゼンチン・ブエノスアイレスでの財務相・中央銀行総裁の声明に盛り込んだ文言を今月9日の福岡市での同会議に続き、首脳レベルでも再確認した。同声明は「通貨の競争的な切り下げを回避し、競争力のために為替レートを目標としない」と明記している。

  世界貿易機関(WTO)を巡っては、機能改善のために必要な改革への支持を再確認し、現行のWTOルールに整合的な紛争処理制度を機能させるための行動が必要なことで合意。他のWTO加盟国と建設的に取り組んでいくことも明記した。

  海洋プラスチックごみ削減に向けては、50年までに追加的な汚染をゼロとする目標を設定し、「大阪・ブルー・オーシャン・ビジョン」として共有し、G20以外の国にも呼び掛ける方針を盛り込んだ。

首脳宣言のそのほかのポイントは以下の通り

  • 経常収支不均衡はサービス貿易・所得収支を含む全ての構成要素に着目、リスク軽減へ注意深く策定されたマクロ経済・構造政策が必要
  • 信頼性のある自由なデータ流通はデジタル経済の機会を活かす、データの潜在力を最大限活用するため国際的な政策討議の促進を目指す
  • 質の高いインフラ投資に関する G20 原則を承認、インフラギャップの縮小に向けたG20の努力の必要不可欠な一部であることを強調
  • 経済の電子化に伴う課税上の課題への対応に関する進ちょくを歓迎、解決へ取り組み強化
  • 懸念を浮き彫りにした最近の出来事を考慮し、世界のエネルギー安全保障の重要性を認識
(最終段落を追加し、更新します.)
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