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巨象2頭のけんかに巻き込まれる世界経済-米中首脳、妥協できるか

  • 巻き添え被害は目先の世界経済にとって最も重大な懸念の1つ
  • 「巨象2頭がけんかすれば、周囲の芝生は全て踏みつぶされる」

中国で輸出業の中心地となっている広東省仏山で働く安頓衛浴のセールスマネジャー、リ・ユアンファ氏が心配しているのはトランプ米大統領の関税政策ではない。もっと広範な経済の不確実性だ。

  安頓衛浴はトイレやシャワーなどを製造し輸出しているが、米市場向けは全体のわずか5%だ。世界的に景気が減速する中で、中東をはじめとする各地域の顧客が購入を手控えていることこそがより大きな問題だ。同社の売り上げ全体は先月、30%急減した。

  「米国の市場については懸念していない。5%ならどこでも代わりになり得る」とリ氏は話すが、「4月以降、誰も客がやって来ない。景気減速は大きな世界的な問題だ。われわれはそのことを本当に恐れている」と打ち明けた。

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リ・ユアンファ氏

写真家:Xiaoqing Pi / Bloomberg

  米中貿易戦争が5月に一段とエスカレートしたことで、その影響は世界に広がる。ソシエテ・ジェネラルの中国担当チーフエコノミスト、姚煒氏(パリ在勤)は「巻き添え被害という問題は、目先の世界経済にとって最も重大な懸念の1つだ」と指摘。「世界の企業・消費者信頼感へのショックが関税報復合戦からの悪い波及効果を伝達する最大の経路となる可能性があり、それが現実となりつつあるようだ」と述べた。

Down from 2018 Peak

  米財務省で中国問題の専門家として働いた経歴があり、現在はロサンゼルスの運用会社TCWグループでアナリストをしているデービッド・ロービンガー氏は「米国が標的としているのは中国だが、サプライチェーンはグローバルだ。そのため多くの経済が打撃を被っている」と説明し、「貿易戦争がすでに鈍化しつつある世界経済に新たなショックを与えている」と語った。

  「巨象2頭がけんかすれば、周囲の芝生は全て踏みつぶされる」と言うのはメイバンク・キムエン・リサーチのアナリスト、チュア・ハクビン氏(シンガポール在勤)だ。「世界経済の運命はトランプ大統領と中国の習近平国家主席が大阪で何らかの妥協に達し、年末までに一定の貿易合意をまとめることができるかどうかにかかっている。通商協議再開に失敗すれば、世界の成長がまた1段階押し下げられるリスクとなる」との見方を示した。

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仏山の大通り(大型の家具店が並ぶ)

写真家:Xiaoqing Pi / Bloomberg

原題:Chinese Exporters’ Pain is Caused By More Than U.S. Tariffs(抜粋)

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