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ファーウェイの一部従業員、中国人民軍の研究プロジェクトに協力

更新日時
  • ブルームバーグが閲覧した刊行物やデータベースの論文で明らかに
  • 個人の資格で論文を発表する従業員には関知しない-ファーウェイ

中国の華為技術(ファーウェイ)の複数の従業員が、中国人民軍当局者と協力して研究プロジェクトに取り組んできたことがブルームバーグの調査で明らかになった。これまでファーウェイが認めてきた以上に軍との関係が密接であることが示唆された。

  それによれば、ファーウェイ従業員は人工知能(AI)や無線通信など少なくとも10の分野の研究プロジェクトで中国人民解放軍のさまざまな組織のメンバーとチームを組んできた。具体的には、オンライン上の動画コメントについて感情を読み取り分類するプロジェクトでの中国共産党中央軍事委員会の調査部門との共同研究や、衛星画像と地理座標を収集・分析する手法を巡る国防科技大学との研究などが含まれる。

Inside Huawei's Headquarters As Company Seeks $1 Billion Funding

中国・深圳のファーウェイ本社

Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

  これらのプロジェクトは、ファーウェイのスタッフが軍事・安全保障への応用研究でいかに人民軍に協力しているかを示す公表済み研究の一部にすぎない。ブルームバーグは定期刊行物や、主に中国の学者や産業界の専門家が利用するオンラインの研究データベースの論文を閲覧した。これまでメディアで報じられることのなかったこれら論文の著者は、自らをファーウェイ従業員だとしており、ファーウェイの社名も論文の冒頭にはっきりと明記されている。

  ファーウェイの広報担当、グレン・シュロス氏は電子メールで配布した発表文で、「ファーウェイは個人の資格で研究論文を発表する従業員には関知しない」とし、「ファーウェイは人民解放軍傘下の機関と共同で研究開発(R&D)を行ったり、提携関係を持ったりはしていない。当社は世界の民生基準に適(かな)う通信機器の開発・製造にしか携わっておらず、軍のためにR&D製品をカスタマイズすることはない」と説明した。

  中国国防省にファックスでコメントを求めたが返答はなかった。

  大学教授らが学生の論文に盗用がないか調べるためなどに使うオンライン・データベースの調査を通じて見つかった2006年以降の論文以外にも、ファーウェイ従業員の軍への協力があったかどうかは不明。多くのセンシティブなプロジェクトは機密扱いであり、オンライン化されていない。同データベースによると、ファーウェイと軍の研究者は多数の論文を発表しているが、ブルームバーグが閲覧した限りでは共同研究は10件しかなかった。ファーウェイの従業員数は18万人強に上る。

  テクノロジー企業と軍の機関は世界各地で何十年も前から協力関係にあり、現在のインターネットを支える技術の多くを生み出してきた。中国では政府が経済の全てのセクターを管理していることから、官民は特に近い関係にある。しかしファーウェイの場合、創業者の任正非最高経営責任者(CEO)の軍隊経験が企業経営に影響しているとの見方を一貫して否定しており、同社と軍の関係は最小限で非政治的だと主張している。

Billionaire Huawei Founder Ren Zhenfei Defiant in Face of Existential Threat

ファーウェイ創業者の任正非CEO(5月24日)

Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

  ブルームバーグが閲覧した論文は、ファーウェイと軍の人的な協力しか示しておらず、ファーウェイが会社として軍と密接な関係にある証拠とはならない。ただ、この関係が同社幹部が公にしてきたよりも複雑であることは明らかになった。

  ファーウェイはこれまで、政府にセンシティブな情報を渡すことはないし、たとえ求められたとしても断るとしてきた。任CEOも1月、外国メディアのインタビューに数年ぶりに応え、同社と軍との関係を否定してきた。

  軍関係者もファーウェイとの公的関係を強く否定。中国の魏鳳和国防相は今月、シンガポールで、「ファーウェイは軍事会社ではない」とした上で、社のトップが軍隊経験者だからといって、築き上げた会社が軍の一部だと考えるべきでない」と指摘した。 

原題:Huawei Personnel Worked With China Military on Research Projects(抜粋)

(背景などを追加して更新します.)
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