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武田薬品はウェバー氏の取締役再任を承認、報酬返還条項の導入は否決

  • 米議決権行使助言会社ISSは再任に反対するよう推奨、ROE理由
  • 金額に関わらず取締役の報酬額や内容を個別開示する提案も否決

国内製薬最大手の武田薬品工業が27日開いた定時株主総会で、クリストフ・ウェバー社長兼最高経営責任者(CEO)の取締役再任案が承認された。同社は1月にアイルランドの製薬大手シャイアーを国内企業としては最大規模となる6兆円超で買収。株主からは、取締役報酬について十分な説明責任を果たすよう求める議案が提示されていた。

Takeda Pharmaceutical CEO Christophe Weber News Conference

武田薬本社ビルのロゴ

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  武田薬の広報担当の吉川愛氏が議決結果を明らかにした。米議決権行使助言会社インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)は、同社の自己資本利益率(ROE)の過去5期平均が5%未満だったためウェバー氏の取締役再任に反対するよう投資家に推奨していた。

  一方、ヘルスケア企業に投資する米オービメッド・アドバイザーズは、ウェバー氏の再任を支持すると発表。同氏について、シャイアー買収で重要な戦略立案者の役割を果たしたと評価し、新生武田が前進するために同氏の関与は不可欠だとの見方を示していた。

  いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は「ROEの水準だけで再任に反対することは通常しない。伝統的な機関投資家なら、ROEが低ければ単に株式を売却すれば済むからだ」と総会前にコメントした。

  総会では、過去の過大投資などの影響で損失が発生した場合に取締役の報酬を返還または減額させる「クローバック条項」を採用する株主提案は否決。同条項の導入は武田の元社員の株主らが提案していた。総会参考書類によると、同条項は、日本でも野村ホールディングスや三井住友フィナンシャルグループが既に採用している。

  また、取締役の報酬について、金額に関わらず個別に報酬額や内容を開示し、決定方法を具体的に示すよう定款変更を求めた株主提案も否決された。武田薬は法令に従い連結報酬などの総額が1億円以上の取締役の報酬額は開示している。

  武田薬の27日の株価は一時前日比2%安の3766円を付けた。シャイアー買収打診を検討していると発表した昨年3月以降、約3割下落している。

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