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ルノーの日産介入強化、絶対させない-西川社長が株主総会で発言

更新日時
  • 委員会設置会社への移行や取締役人事など全議案可決-株主総会
  • ルノーは委員会設置会社への移行で棄権意向、ポスト増で直前に賛成

日産自動車は25日、横浜市内で定時株主総会を開き、ガバナンス改善を目的とした指名委員会等設置会社への移行や新取締役の選任などすべての議案を可決した。

Shareholders Arrive For Nissan's First Post-Ghosn Annual Meeting

日産株主総会の会場(横浜市)

Photographer: Junko Kimura-Matsumoto/Bloomberg

  日産は今回の総会に、委員会設置会社への移行に向けた定款の変更と西川広人社長兼最高経営責任者(CEO)の続投や社外取締役の強化を柱とした取締役11人の選任、剰余金の処分の3議案を上程していたが、いずれも可決、承認された。

  筆頭株主のルノーは一部議案の投票棄権の意向を示していたが直前で賛成に回り、議案が否決される事態は免れた。しかし、西川社長は総会でルノーによる経営介入の強化は許さないと明言するなど、両社の対立が解消されないまま新体制を迎えることになる。

  総会の冒頭で西川社長はカルロス・ゴーン前会長を巡る一連の問題について「前会長の不正、改めて株主におわび申し上げます」と陳謝。新体制の発足は日産にとって大きな節目になるとし、今後は後継体制の準備などの加速を見込んでいるとした。約43.4%を保有する大株主であるルノーとの関係について従来は日産の業績改善を優先してきたが、それにより「あえて臆測を呼んだ」ところもあり、今後は「将来像は業績改善と平行で検討する」と話した。

  委員会設置会社への移行は、会社法違反(特別背任)などで逮捕、起訴されたゴーン前会長を巡る問題を受けて権力の集中を防ぐ目的で導入を計画し、総会に諮ることにした。ところが、ルノー側は総会の招集通知発送後、同議案に関する採決を棄権する意向を伝えてきた。交渉の結果、ルノー出身者に割り当てる委員会の委員ポストを増やすことでルノーの賛同を取り付けた

  ルノー・日産アライアンスとして約20年かけて開発や調達など幅広い分野で協業体制を構築してきた両社の関係はルノーが日産に対して統合を求めたこともあり、悪化している。出席した株主からはルノーに取り込まれるのではないかとの懸念も含めた関連質問が多く寄せられた。

日産攻撃の意図なし

  西川社長はこれに対して、ルノーとの資本関係見直しは「必要であればやる」としながらも、ルノーに日産を売り渡すようなことはなく、新体制でも両社の利害が対立するような案件ではルノー側を議論から外すようなルールを取り入れ、ルノーによる経営関与強化は「絶対にさせない」と述べた。

  取締役の1人であるルノーのジャンドミニク・スナール会長は、日産取締役としてのミッションは何かという株主の質問に対し、日産に対して攻撃的に何かをやろうという意図はないと説明。交渉を中断したフィアット・クライスラー・オートモービルズとの統合案に関しても、アライアンスを考慮せずに考えたことはなく、日産にとっても「チャンスだった」との考えを示した。

 ゴーン前会長に関して、西川社長は退職金とストックオプションの支払いを取りやめたと述べたほか、さまざまな損害賠償の手続きについても準備ができ次第、進めていくと話した。

  今年の総会への出席者は2814人と昨年の4188人を大きく下回った。採決には至らなかったものの、株主の中には西川社長の解任動議を求める声も上がるなど紛糾したが所要時間は3時間22分で、「日産リバイバルプラン」を発表した翌年で過去最長の総会(4時間)となった2000年に及ばなかった。

(ゴーン前会長に関するコメントなどを追加して更新します.)
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