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長期金利がマイナス0.195%、3年ぶり低水準ー日銀許容下限試す動き

国内債券市場で長期金利が一時マイナス0.195%と、2016年7月以来の水準まで低下した。日本銀行の黒田東彦総裁が前日の会見で、長期金利の変動幅についてある程度弾力的に対応すると述べたことを受けて、市場では日銀が許容する下限を試す動きが強まっている。

  新発10年物国債は朝方こそ利回りがマイナス0.165%と、前日の終値水準よりも0.5ベーシスポイント(bp)高く始まり、これまでの急激な上昇相場がいったん調整したかにみえたものの、取引が進むにつれて買いが優勢となっている。日銀がこの日の国債買い入れオペを据え置いたことに加えて、中期や超長期債などが買われて長期債にも波及した。

  黒田総裁は20日の金融政策決定会合後の会見で、長期金利について、操作目標のゼロ%を挟んでおおむね上下0.1%の倍程度としている変動幅について、「具体的な範囲を過度に厳格に捉える必要はない」と指摘。「ある程度弾力的に対応していくことが適当だ」と述べた。

  長期国債先物の中心限月9月物は、黒田総裁の発言を受けて、前日の夜間取引で過去最高となる154円11銭まで買われた。この日も午後の取引で154円13銭を付け、史上最高値を2日連続で更新している。 

Bank of Japan Governor Haruhiko Kuroda News Conference Following Rate Decision

Haruhiko Kuroda, governor of the Bank of Japan (BOJ)

Photographer: Toru Hanai/Bloomberg

市場関係者の見方 

三井住友トラスト・アセットマネジメントの押久保直也シニアエコノミスト

  • 黒田総裁会見を受けて注目されていた今日の長期ゾーン対象オペが据え置かれたことで債券に買い安心感が出ている
  • いわゆる操作目標レンジの下限とされるマイナス0.2%を試す動きが再開
  • そもそも長期金利の下限が意識されていたから、米長期金利が大きく低下した局面でも円金利には下方硬直性があった
  • そうした心理的な歯止めが外れるということであれば、世界的な金融緩和で金利が上昇しにくい中で、債券に買いやすさがある

大和証券の岩下真理チーフマーケットエコノミスト

  • マイナス幅がどんどん行き過ぎると何もできなくなるジレンマに陥るので、今はそういうことに皆が神経を集中させないように自然体で行きたい状況になっている気がする
  • マイナス0.2%というところのどこまでが許容範囲かというと、たぶんマイナス0.25%。四捨五入したらマイナス0.3%なので、その手前では下限の足切りを出すのかと思う
  • 来週に米中首脳協議があるので、それまでに円高になるリスクがある。そういったものがいったん抜けたところでないとたぶん買い入れオペの減額はできない

  
三菱UFJ国際投信戦略運用部の加藤章夫ゼネラルマネージャー

  • 10年金利は黒田総裁があれだけストレートに柔軟に運用するというということであれば、マイナス0.20%を試しにいくのは時間の問題だろう
  • 米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げモードになる中で、マイナス0.2%そのものは通過点に過ぎない
  • 午後の相場で長期金利がマイナス0.195%まで下げたのは、ドル・円が107円割れを試しに行くような動きになっているからではないか

新発10年物国債利回りの日中取引推移

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