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長期金利マイナス0.185%、黒田総裁発言受けて市場は下限を模索

更新日時
  • 長期国債先物の中心限月は最高値を更新、一時154円11銭
  • マイナス0.2%、絶対的下限でないという意識強まったーSMBC日興
日銀の黒田総裁

日銀の黒田総裁

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
日銀の黒田総裁
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

長期金利がマイナス0.185%と2016年8月以来の低水準を更新した。日本銀行の黒田東彦総裁が金融政策決定会合後の会見で、長期金利の変動幅について柔軟な姿勢を示したことを受けて、市場は日銀が許容する下限を試す動きをみせている。

  20日の国債市場では、長期金利が米国の早期利下げ観測を背景に午前の取引でマイナス0.16%まで低下。いったんは2年10カ月ぶりの低水準を連日で更新したことに対する警戒感からマイナス0.15%に戻したが、午後の黒田総裁による長期金利の変動幅の柔軟化に関する発言を受けて、買い圧力が再び強まった。長期国債先物は一時154円11銭と過去最高値を更新し、新発10年物の国債利回りはマイナス0.185%まで水準を切り下げた。

黒田総裁の会見記事はこちらをクリックしてください

  SMBC日興証券の竹山聡一金利ストラテジストは、「総裁発言は、マイナス0.2%ががちがちに固まっている下限というわけではない、絶対的な下限ではないということではないか」と指摘。長期金利のマイナス0.2%は「絶対的な下限ではないという意識が強まったと思う。市場は試したくなっている。試せる余地ができている」と言う。   

市場関係者の見方

バンクオブアメリカ・メリルリンチの大崎秀一チーフ金利ストラテジスト

  • 長期金利の変動幅について柔軟に運用ということで、とりあえず長期金利のマイナス0.2%を試す流れになっている
  • 明日の日銀オペで買い入れ減額がなければ試す可能性ある
  • ただ、外国為替市場で円高になっていることもあり、不透明な部分が残る

  
パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長

  • 総裁会見のヘッドラインを見ると、長期金利のレンジ下限に対して、特に対応する姿勢が確認できず、先物を中心に上値を試す動きになっている感がある

 
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジスト

  • イールドカーブコントロール(YCC)導入当初から指摘されてきた下がった金利を上げるツールが不十分という問題点がいよいよ顕在化する可能性が高まっている

  
SMBC日興証券の竹山聡一金利ストラテジスト

  • 長期金利が下限に近づいていることは確かで、低下ペースも速いため、本来なら明日の国債買い入れオペは減額した方がいい
  • ただ、欧米中銀がハト派方向を向いている中ではタカ派的に見えてしまう。円高リスクを考えると減額しない可能性の方が高いのではないか。市場は引き続き試すだろう

背景

  • 日銀総裁:長期金利の変動幅のプラスマイナス0.1%の倍、柔軟に運用
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