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5月の全国消費者物価0.8%上昇、伸び率縮小-エネルギー鈍化

更新日時
  • 宿泊料、外国パック旅行費は10連休の影響がはく落-総務省
  • 原油や為替の動向を考えると、下方リスクの方が大きい-新家氏

総務省が21日発表した5月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は前年比0.8%上昇と前月の伸びを下回った。エネルギーや教養娯楽サービスの伸びが鈍化した上、携帯電話機の下落幅拡大が全体を押し下げた。

キーポイント

  • 全国コアCPIは前年比0.8%上昇(ブルームバーグ調査の予想中央値は0.7%上昇)ー上昇は2年5カ月連続、前月は0.9%上昇
  • 生鮮食品とエネルギーを除く全国コアコアCPIは0.5%上昇(予想は0.5%上昇)ー前月は0.6%上昇
  • 総合CPIは0.7%上昇(予想は0.7%上昇)-前月は0.9%上昇

          
全国消費者物価指数の推移


エコノミストの見方

第一生命経済研究所の新家義貴主席エコノミスト:

  • コアCPIはエネルギー価格の影響で先行き伸びが鈍化してくるだろう
  • コアコアCPIはこのところ0.5%前後と低位安定が続いており、先行きも景気を考えると伸びが加速する可能性は小さい
  • 原油価格や為替相場の動向を考えると、物価は下方リスクの方が大きい

大和証券の岩下真理チーフマーケットエコノミスト:

  • 結果は予想の範囲内。変化があったのは外国パック旅行の伸びのペースが鈍化したところ
  • 今回の結果で、改めて日銀の物価目標達成への取り組みは長期戦というのを確認した
  • 日銀は、時間はかかるけどこの政策を続けることによっていずれは上がるという結論を出しているので、それが急に物価が上がらないので何かやらないといけないという局面ではない

クレディ・スイス証券の塩野剛志エコノミスト:

  • エネルギーとそれ以外の項目を分けて考えているが、エネルギーの方は淡々と寄与度が下がっている。この傾向は今後も続き、11月ぐらいまではずっとエネルギーの寄与度が下がる
  • それ以外のコアに関して、食料は意外と安定している。消費者の行動が変わると食料が下がるが、あまり下がっていないので、基本的には内需の堅調さが示唆されている
  • コアコアは耐久財が重要。消費税の前倒し値上げをすでに含んでいる。エネルギーが下がっている割にはCPIのヘッドラインはそんなに下がらない

詳細

  • 上昇は電気代(3.6%)、都市ガス代(6.4%)、家庭用耐久財(7.8%)、外国パック旅行費(6.6%)。下落は携帯電話機(10.6%)、宿泊料(0.2%)
  • 宿泊料、外国パック旅行費は10連休の影響がはく落し、伸びが鈍化した-総務省担当者
  • 携帯電話機はアンドロイド端末の値下げで下落幅が拡大した-総務省
  • 生鮮食品を除く食料は引き続き上昇した。ポテトチップスが増量で実質値下げした昨年の反動で値上がりしたほか、ケーキは小麦やミルクなど原材料高で値上がりした。ミネラルウオーターも物流費の上昇で値上がりした-総務省
  • 家庭用耐久財はエアコンが例年より早い新製品の出回りで上昇した-総務省
  • コアCPI523品目のうち、値上がりが296品目、値下がりが168品目で、値上がり品目が全体に占める比率は56.6%と前月と同じだった-総務省

背景

  • 物価の基調は引き続き弱い。6月には携帯電話大手2社が通信料を「最大4割」値下げする方針で、コアCPIの伸びを下押しする公算
  • 黒田東彦総裁は10日、ブルームバーグテレビジョンのインタビューで、現時点では「日本経済は追加的な対策が必要な状態ではない」としながらも、「2%の物価目標に向けたモメンタムが失われれば追加緩和を行う」と発言
  • 20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は9日、共同声明を公表し、米中貿易摩擦が激化する中、貿易と地政を巡る緊張が増大してきたとした上で、世界経済の下振れリスクが高まった場合、さらなる行動を取る用意があると明記した
(詳細を追加し、エコノミストコメントを差し替えて更新します.)
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