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ラグビーW杯開幕まで3カ月切る、日本開催の理由-QuickTake

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  • ラグビー人気をアジアへ-若者のプレーヤー増加に期待
  • 第9回大会、9月20日から11月2日まで12都市で開催
Kenya's Isaac Adimo, center, vies with Zimbabwe's Lenience Tambwera during a match that acts a qualifier for the 2019 Rugby World Cup in Japan. 

Kenya's Isaac Adimo, center, vies with Zimbabwe's Lenience Tambwera during a match that acts a qualifier for the 2019 Rugby World Cup in Japan. 

Photographer: Kevin Midigo/AFP via Getty Images

Kenya's Isaac Adimo, center, vies with Zimbabwe's Lenience Tambwera during a match that acts a qualifier for the 2019 Rugby World Cup in Japan. 

Photographer: Kevin Midigo/AFP via Getty Images

日本はアジア初のラグビーワールドカップ開催国となる。20チームが出場し、優勝チームに贈られる「ウェブ・エリス・カップ」を懸けて熱戦を繰り広げる。第9回大会の試合日程は9月20日から11月2日までで、札幌から熊本までの南北12都市で開催される。ラグビーワールドカップは4年ごとの開催で、夏季五輪、国際サッカー連盟(FIFA)ワールドカップと並ぶ世界3大スポーツイベントの1つと関係組織は説明している。日本を開催地に選んだのは、ラグビー人気を伝統的な地盤からさらに広げようとする主催組織首脳らの大胆な決断だ。

1.日本が開催国に選ばれた理由は?

  アジアの若者のプレーヤーを増やすのが狙いだ。主催組織であり、世界のラグビーを統括する「ワールドラグビー」の使命は、ラグビーの世界的な普及・発展だ。そして、アジアは世界で最も人口が多く若者にあふれている。前回大会まではイングランドやオーストラリア、南アフリカ共和国といったラグビー人気が非常に高い国々での開催だった。ワールドラグビーのブレット・ゴスパー最高経営責任者(CEO)は、日本での開催は「アジアにおけるスポーツおよび社会の変革をもたらす強力な出来事」となる可能性を指摘する。開催期間中、子供たちのためのラグビー初心者イベントが組織される。日本と韓国は2002年、アジアで初めてサッカー・ワールドカップの共催国となった。

ラグビー普及の取り組み

日本開催でアジアのラグビー人口を増やすのが主催組織の狙い

Source: World Rugby Union (2016 data)

2.日本のラグビー人口は?

  一般の想定よりも多い。野球やサッカーの人気には及ばないが、16年時点の日本のラグビー競技人口は12万3000人で、アジアでは最大だった。競技人口が210万人のイングランドや67万人のオーストラリアなど、ラグビー大国とは開きがある。それでも日本は1987年の第1回大会以来、毎回出場を果たし、15年の大会では4戦3勝の戦績を収めた。日本代表「ブレイブ・ブロッサムズ」が、過去2回の優勝チームである南アフリカ代表を破った1戦は、ラグビーワールドカップの歴史でも最大の番狂わせと多くが受け止めた(この対戦の映画制作も進められている)。16年のリオデジャネイロ五輪では、男子の7人制ラグビーで日本代表は準決勝に進み、南アフリカに敗れて4位となった。

3.日本のラグビー発祥は?

  「横浜フットボールクラブ」が設立された1866年が始まりだ。「アジア・ラグビー」によれば、駐留していた英国の軍人同士が横浜で試合を行い、1874年の試合には英国の船員も参加したという。今年の大会で決勝戦が行われる横浜国際総合競技場は、2002年のFIFAワールドカップ決勝戦でロナウドが2得点を決め、ブラジルを優勝に導いたのと同じ会場だ。日本ではずっと高校、大学のラグビーが人気だ。東大阪市花園ラグビー場は1929年に日本初のラグビー専用スタジアムとして開場し、1963年からは全国高等学校ラグビーフットボール大会が毎年開催されている。日本代表の世界ランキングは男子が11位、「サクラフィフティーン」として知られる女子は16位だ。

サッカー選手登録数(合計)

2002年FIFAワールドカップ共催が登録数押し上げの一因に

Source: 日本サッカー協会(JFA)

4.組織委員会の心配の種は?

  開催都市がビールの品切れに見舞われてしまうのではないかというのが組織委員会とファンらの心配だ。ラグビーファンはビール好きで知られる。海外からは推計40万人のファンが来日する見通しだ。ワールドカップの関係組織は、2015年のイングランド大会期間中のビール消費量が、開催地が同じサッカーの試合の場合の6倍余りに上ったとしている。有名な醸造所を擁する大分と札幌は特に多くのファンが訪れると見込んでいる。大分スポーツ公園総合競技場では準々決勝2試合を含め計5試合が行われ、札幌ドームではイングランドとオーストラリアの代表チームがそれぞれの試合に臨む。もう1つ問題がある。選手は多くのタトゥー(入れ墨)を見えないようにするよう求められている。日本では、タトゥーは暴力団と関連付けられているためだ。地元住民はタトゥーを避けるか、公衆の面前では隠したままにしている。温泉やリゾートホテルの場合、人目に付くタトゥーのある人物の施設使用を禁止することがしばしばある。ある都市は、「タトゥーOK」マップを作成し、タトゥーのある選手やファンを歓迎する温泉を案内する。

5.日本への経済効果は?

  日本ほどの経済大国にとって、ワールドカップ開催は大きな変化をもたらさないかもしれないが、開催期間中およびそれ以降も、観光地としてのプロモーションになるのは確かだ。公益財団法人ラグビーワールドカップ2019組織委員会が実施した分析結果によると、日本国内への経済波及効果は総額40億ドル(約4300億円)と見込まれている。日本は20年の五輪開催国でもあり、ワールドカップを皮切りに、1年間にわたって国際的なスポットライトを浴びることになる。

6.優勝候補は?

  最有力候補はこれまでと同様、ニュージーランド代表の「オールブラックス」だろう。何といっても過去2大会のチャンピオンであり、最多の計3回の優勝を誇る。ブックメーカー(賭け屋)が次に推すのはイングランドとアイルランド、ウェールズで、その後に南アフリカとオーストラリアが続く。6月17日現在、日本のオッズは300/1と極めて低いが、初めて準々決勝に進出するチャンスは4/1となっている。

原題:Rugby’s Bold Drive. Why Japan’s Hosting the World Cup: QuickTake(抜粋)

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