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日銀の金融政策は「通貨安誘導でない」と各国は理解-浅川財務官

  • 自国通貨安誘導でなければ容認しようというのがG7やG20の合意
  • 米中どちらかにくみしない、為替と貿易政策は混同すべきでない

財務省の浅川雅嗣財務官は19日、日本外国特派員協会での会見で、各国が採用した金融緩和策が結果として自国通貨安を招いたとの認識を示した上で、日本の金融政策が通貨安誘導を目的としたものとは各国から受け止められていないと語った。

  浅川氏は、各国がリーマンショック後に導入した緩和的な金融政策について、為替相場に影響を与えたと認めながらも、「それは結果であり目的ではない」と指摘。その上で日本については、日銀の緩和策は「デフレ脱却という国内政策のためにやっているのであって、通貨安誘導のためにやっているのではないということは広く理解されている」と述べた。

IMF World Economic Outlook Press Briefing

浅川財務官

Photographer: Joshua Roberts/Bloomberg

  為替を巡る問題は主要7カ国(G7)や20カ国・地域(G20)の財務相・中央銀行総裁会議で繰り返し議論され、G20の声明文には、通貨の競争的な切り下げを回避することや競争力のために為替レートを目標とはしない為替相場のコミットメントを再確認すると明記されている。浅川氏は「緩和的金融政策をとることは自国通貨安の誘導ではないのであれば、お互いに許容しようというのがG7、G20での合意だ」と説明した。

  米国の保護貿易主義をきっかけに2国間での貿易交渉が各国・地域で持ち上がっている。浅川氏は、「バイラテラルな貿易交渉は決して意味がないとは思わず、自由貿易を維持するために必要なことを議論するのであれば一つの政策ツール」と一定の理解を示した。ただ同時に、「マルチ(多国間)の枠組みを維持することによって自由貿易を守っていくことは非常に重要」とも述べた。

  激化する米中貿易摩擦については、「日本はどちらかにくみすることはない」とし、世界貿易機関(WTO)に反する措置はとらないことが基本的スタンスだと説明。米国を除く11カ国による環太平洋連携協定(TPP)や欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)を推進してきた日本としては、「どちらに偏るのではなく、多国間貿易体制の利点を生かしながら自由貿易の推進にできる限り努力していくことに尽きる」と語った。

  こうした2国間の貿易交渉について、「為替の問題がどう入り込んでくるのか、われわれは強い関心を持っている」と指摘。為替政策と貿易政策を混同すべきでないというのが日本の立場だとのこれまでの主張を繰り返した。

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