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一番人気はデンマーク債、高利回り償還債の再投資に-三菱UFJ国際

  • 為替ヘッジ後で2%超の利回り-フランス国債はゼロ%台前半
  • 日本の20年債利回りは0.2%強どまり-20年前は2.7%前後

リーマンショック前などに発行された比較的高利回りの日本国債が償還を迎え始める中、運用資産約14兆円の三菱UFJ国際投信によると、再投資先として為替差損の回避措置(ヘッジ)を付けたデンマークなどの債券が人気を集めている。

Danish Central Bank Props Up Currency for First Time in 3 Years

デンマーク国旗と通行人(コペンハーゲン)

Photographer: Luke MacGregor/Bloomberg

  債券運用部の道下哲也チーフファンドマネジャーは14日のインタビューで、「投資家からの資金流入が最も伸びているのがデンマークのカバード債(金融機関が住宅ローンなどの保有債権を裏付けに発行する債券)だ」と述べた。

  格付けが最上位のAAA格なのに為替ヘッジ後の表面利率が2%超あり、発行残高は50兆円規模と市場の流動性もあるという。北欧諸国は高福祉で失業時のセーフティーネットが充実しているため、住宅ローンもデフォルト(債務不履行)しにくい点も強みだと道下氏は加えた。

  米国債の利回りは日欧を大幅に上回るが為替ヘッジのコストも高いため、10年物の収益率はヘッジ後だとゼロ%を下回る。欧州債はECBの政策金利の一部が日銀より低いので国内勢が為替ヘッジをかけると上乗せ金利も得られるが、ユーロ圏で最も信用力が高いドイツ国債はヘッジ後でも収益率が小幅なマイナス圏に低迷。昨年から人気を集めていたフランス国債も同0.2%程度まで低下してしまった。

デンマークのカバード債の運用成績(為替ヘッジ後)

  道下氏は、カバード債は金利が急上昇するような局面では運用成績が通常の債券を下回りがちだが、金利が安定していれば高い収益を見込める特性があると指摘。欧州中央銀行(ECB)が18日に追加金融緩和の必要性に言及するなど、「ECBが低金利政策を長く続ける可能性が高い相場環境では有望な投資先だ」と述べた。ただ、繰り上げ返済による期限前償還の可能性があるなど国債と異なる商品設計には注意が必要だという。

  ITバブル崩壊や08年に発生したリーマンショックの前に発行された高利回りの日本国債が満期を迎え始め、道下氏は今年度に償還される国債は10年債と20年債だけでも約34.4兆円に上ると指摘。「クーポンは平均1.5%程度と高く、なかなか再投資先が見つからない投資家が多い」と述べた。国内金利は低迷しているため、為替ヘッジを付けて円債の代替とした外国債券に向かわざるを得ないという。

  日本の新発20年物国債利回りは19日に一時0.205%と2016年8月以来の水準に低下。長短金利操作の微修正を受けて金利上昇の期待が高まった昨秋の3分の1以下となっている。20年前の同利回りは2.7%前後、マイナス圏にある10年債利回りも10年前は1.8%前後と高かった。財務省によると、今年度に満期を迎える国債は日本銀行の保有分も含め、約127.8兆円に上る。

  道下氏は、投資資金は欧州の中核国から周辺国へ分散しており、その代表例がスペインだと指摘。10年物の対仏利回り格差は足元で0.4%ポイント程度と、今年度に入って約半分に縮小している。政情が不安定なイタリアはスペインとの間に格付けや経済・財政面で「高い壁」があるが、利回り追求の流れが続けば将来的には国内勢の資金が本格的に流入していく可能性があると話した。

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