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トランプ大統領、パウエル議長解任の選択肢模索を指示

更新日時
  • ホワイトハウスの検討は2月-クドロー氏は「話すことは何もない」
  • 議長について問われ「彼が何をするか見てみよう」とトランプ大統領
トランプ大統領とFRBのパウエル議長

トランプ大統領とFRBのパウエル議長

Photographer: Olivier Douliery/Bloomberg
トランプ大統領とFRBのパウエル議長
Photographer: Olivier Douliery/Bloomberg

トランプ米大統領が今年早い時点で、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長を解任する選択肢を模索するようホワイトハウスの法律顧問に指示していたことが分かった。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。その2カ月足らず前の昨年12月には、パウエル氏解任を大統領が議論したと報じられていた

  関係者によると、ホワイトハウスの法律顧問の事務所は2月、パウエル氏から議長職を剥奪しFRB理事のみにとどめることの適法性を検討した。実際に降格となれば前例のない動きとなる。

  トランプ大統領は18日、パウエル議長降格の適法性をホワイトハウスが検討したとのブルームバーグの報道後、引き続き降格を望んでいるか記者団から尋ねられ、「彼が何をするか見てみよう」と述べた。大統領は米金融当局の利上げに繰り返し不満を表明している。

  トランプ大統領のチームは法的分析を行い、正当な理由なしにパウエル議長を解任することには非常に疑問が伴うものの、現職のFRB理事と交代させる論拠は考えられるとの結論に至ったと、内部での議論だったとして関係者が匿名を条件に話した。分析結果はホワイトハウスで引き続き内密にされているという。

  匿名を希望したホワイトハウス関係者の1人は、何カ月も前にあったとされる話し合いについてはコメントしないと述べた。ホワイトハウスのクドロー国家経済会議(NEC)委員長は記者団に対し、パウエル氏の降格は現在検討しておらず、「その件について話すことは何もない」と語った。

  FRBのミシェル・スミス報道官は電子メールで 「法律の下、FRB議長は正当な理由がある場合のみ解任が可能だ」と述べた。

  連邦準備法は「正当な理由」がある場合に限り、大統領はFRB理事を解任することができると明確に規定している。裁判所は正当な理由として何らかの違法行為もしくは職務怠慢の証拠が求められると解釈しており、金融政策を巡る見解の相違はこの基準に当てはまらないことになる。

  ただ、議長を降格させて理事職のみとすることが大統領に可能かどうかは明確でない。2017年まで10年余りにわたり連邦準備制度の法律顧問を務めたスコット・アルバレス氏は、1977年の法改正によってパウエル議長の地位は守られる可能性があると説明した。

  同年の法改正以前は、上院が承認済みの理事の1人を大統領が議長に指名するだけの手続きだったが、この改正の結果、正副議長については別途、上院が4年の任期を承認することが必要となった。

  アルバレス氏は、法改正によって大統領が一方的に議長を指名する権限だけでなく、正当な理由なしに解任する権限も認められなくなったと、裁判所が解釈する公算が大きいと分析する。ただ、こうした動きに前例はない上、仮にパウエル氏が降格されて同氏もしくは連邦準備制度が訴えを提起した場合、裁判所が実際にどのような判断を下すか知る由もない。

  一方、トランプ大統領がパウエル氏を降格させることができたとしても、金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)の議長を大統領は選ぶことはできない。FOMCメンバーは慣例的にFRB議長をFOMC議長に選んでいるが、メンバーの中から誰を選んでも良いことになっている。FOMC議長が不在の場合、副議長を務めるニューヨーク連銀総裁が会合を主宰する。

原題:Trump Asked White House Lawyers for Options on Removing Powell(抜粋)

(トランプ大統領の発言や法的分析の結論を加えて更新します.)
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