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「メード・イン・チャイナ」時代は終わり-自転車最大手ジャイアント

  • 米国向け製品の生産を中国から台湾に移転-株式市場も高評価
  • 従業員の賃金上昇や自動化コストなど課題-米中合意なら中国回帰も

世界最大の自転車メーカー、台湾のジャイアント・マニュファクチャリングは早くから悪い予感がしていた。トランプ米大統領が昨年9月の追加関税発動を警告してから間もなく、米国向け製品の生産を中国から台湾に移し始めた。

  ジャイアントの杜綉珍会長は台中本社でインタビューに応じ、「トランプ政権が25%関税の計画を発表した時、われわれはそれを真剣に受け止めた」と説明。「トランプ氏が黙るのを待たずにわれわれは動き始めた」と話す。

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ジャイアントの杜綉珍会長

出典:ジャイアントマニュファクチャリング株式会社

  ジャイアントは米中貿易摩擦の激化で生産を中国国外に移しつつあるグローバル企業の一角。米インテルは今週、世界のサプライチェーンを見直していると表明。消費者向け製品で世界最大のサプライヤー、香港のリー・アンド・フォン(利豊)も米中貿易戦争で中国からの分散化を進めていることを明らかにした。

  「昨年、メード・イン・チャイナそして世界的な供給という時代が終わったことに気付いた」とジャイアントの杜会長は語る。同社は2018年末に中国工場を1カ所閉鎖し、米国からの受注については大半を中国から移した。ジャイアントは昨年7月にハンガリーに工場を建設すると発表。「マーケットの近くに生産を移すのがトレンドだ」と説明した。同社は現在、台湾とオランダに1カ所ずつ工場を所有。中国には工場がまだ5カ所ある。
 
  杜会長は、企業や貿易にとって世界が同じ条件で競争する場になるとしたトーマス・フリードマン氏の著作「フラット化する世界」の表現を借用しながら、「世界はもはやフラットではない」と指摘した。

  ジャイアントの迅速対応に関しては投資家やアナリストからの評価が高い。年間ベースで4年連続の下げとなっていた同社株は年初来で78%上昇。世界の同業で上げが最も目立ち、ブルームバーグが対象としている証券各社の投資判断で「売り」は1社もない。

Share price of Giant almost doubled over the past year, outperforming Taiex

  だが、中国からの移転は従業員の賃金上昇や自動化コスト、サプライヤーにとっては中国のような規模の経済がないなど代償も大きい。杜会長は移転コストには具体的に言及せず、「純損益は米中貿易戦争がなければもっと良くなる」と述べるにとどめた。

  このため、ジャイアントは米中が貿易合意に至れば生産を中国工場に戻す可能性にもオープンだ。米国が「25%関税の撤廃を決めるなら直ちに生産を中国に戻すだろう」と杜氏は話した。

原題:World’s Top Bicycle Maker Says Era of ‘Made in China’ Is Over(抜粋)

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