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ローブ氏の半導体分離要求、ソニーに不利益との声-きょう株主総会

  • 分離上場は隠れた価値表面化で有効も、半導体は機器製造と連携密接
  • 前回はエンターテインメント分離上場を提案、受け入れず強化で成功

アクティビスト(物言う株主)のダニエル・ローブ氏がソニーに提案した半導体部門のスピンオフ(事業の分離・独立)について、市場ではソニーにとって効果はマイナスとの声が浮上している。ソニーは18日に株主総会を開く。

  みずほ証券の中根康夫シニアアナリストは14日付リポートで、主要事業を分離上場する考え方は隠れた企業価値を表面化させるのに有効だと指摘。一方でカメラや業務用放送機器などへの用途では製造部門との密接な連携も不可欠で「本体からの分離により、半導体子会社の本質的価値はむしろ低下する」とみている。

  ローブ氏率いる米ヘッジファンド、サード・ポイントは13日、15億ドル(約1630億円)相当のソニー株保有を公表し、株主宛て書簡で半導体部門を分離し映画や音楽などエンターテインメント事業に集中するよう求めた。ソニーフィナンシャルホールディングスなどの持ち分売却を検討し、資本構成を改善すべきとも主張した。

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ソニーに半導体部門の分離・独立を提案したローブ氏

  東海東京調査センターの石野雅彦シニアアナリストは電話取材で、サード・ポイントは2013年にもソニー株を取得し、エンターテインメント事業の分離上場を提案したが、「結局ローブの言った通りではなく、エンタメを強化することによって見事な成功を収めた」と振り返った。

  ローブ氏は先週、ニューヨークで吉田社長と要求について話した。吉田社長が主にローブ氏の話を聞き、要求を受け入れた場合の企業価値や実現可能性についても否定はしなかったことで、サード・ポイントは次の展開にさらに自信を深めている。

  分離上場を求めていたエンターテインメント事業を重視するよう方針転換したのは、サード・ポイントがソニーの変化を認めているからだ。吉田社長は投資家を重視する姿勢を示していることもあり、ローブ氏は要求は実行可能だと考えている。次の展開は経営陣から公式な対応を得ることだ。

高すぎる

  半導体事業の主力製品であるイメージセンサーの前期(19年3月期)売上高は、前の期に比べ9.5%増の7114億円。今期は18%増の8400億円を見込む。ソニーは5月の経営方針説明会で、従来1兆円としていた21年3月期までの3年間の設備投資額を1.1兆円から1.2兆円に増額する方針を示した。

  マッコーリーキャピタル証券のアナリストのダミアン・トン氏は、半導体事業を分離すれば、330億-390億ドルの価値になるとするサード・ポイントの見方は「高すぎる」と指摘した。トン氏は同事業を110億ドルと評価している。

  ソニーの広報担当、飯田高志氏はサード・ポイントの要求を受け、「個別株主とのやりとりは公表しておらず、コメントを控える」と述べた。その上で、一般論としてソニーとしては出資を歓迎しており、経営陣や取締役会は株主との対話を重視し、株主からの提案を真摯(しんし)に受け止めて建設的な対話を行っていくと話した。

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