コンテンツにスキップする
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

年内の追加緩和予想が4割弱に増加、6月は現状維持-日銀サーベイ

  • 米利下げ後6カ月以内に追加緩和に踏み切る可能性、6割が「高い」
  • 米利下げで円相場は105円まで円高、日銀は100円で追加緩和へ
The Bank of Japan (BOJ) headquarters stands in Tokyo, Japan, on Wednesday, Sept. 13, 2017. The BOJ\'s next monetary policy meeting is scheduled for Sept. 21. The central bank pushed back in July the projected timing for reaching its 2 percent inflation target for the sixth time as economic growth failed to drive price gains.
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

米国の早期利下げ観測が高まっていることを受けて、日本銀行は年内に追加緩和に踏み切るとの見方が、ブルームバーグが実施したエコノミスト調査で4割弱に達した。

  エコノミスト50人を対象に7-12日に実施した調査で、年内の追加緩和予想は18人(36%)と4月の前回調査(21%)から増加した。米国が利下げに踏み切った場合、日銀がその後6カ月以内に追加緩和に踏み切る可能性が「高い」(「非常に高い」と「高い」の合計)との回答は6割となった。日銀が19、20両日開く金融政策決定会合は、全員が現状維持を予想した。

  黒田東彦総裁は10日、ブルームバーグテレビジョンのインタビューで、現時点で追加緩和は必要ないとしながらも、「2%の物価目標に向けたモメンタムが失われれば追加緩和を行う」と語るとともに、仮に追加緩和が必要になった場合は「最大限、副作用を避けるため、さまざまな金融手段を組み合わせる可能性がある」と述べた。

  JPモルガン証券の鵜飼博史チーフエコノミストは、9、12月の2回の米利下げを見込んでおり、円高が進み金融環境が急速に引き締まるリスクに対応するため、「9月に短期政策金利をマイナス0.1%からマイナス0.3%に引き下げる」と予想する。その際は、金融機関の収益圧迫に配慮するため、貸出支援基金を用いた貸出金利も0%からマイナス0.3%に引き下げるとみる。

調査の結果はここをクリックしてください

  米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は4日の講演で、必要なら利下げの可能性を閉ざさない姿勢を示唆した。5月の米雇用統計が予想外の弱い数字となったことで、早ければ今月19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げに踏み切るとの見方が台頭。これに伴い日銀の追加緩和観測も浮上している。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美シニアエコノミストは「状況次第では今会合でフォワードガイダンス(政策金利の指針)再延長の検討があり得る」と指摘。仮に見送られたとしても、7月会合で再延長を予想する。日銀は4月会合で「当分の間、少なくとも2020年春ごろまで現在の極めて低い長短金利の水準を維持する」とフォワードガイダンスを明確化した。

  BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは、米中貿易戦争の激化で事情が変わったとはいえ、統計で景気の急激な悪化が示されているわけでもないため「延長するには早過ぎる。あまりコロコロ変えるとフォワードガイダンスの重みがなくなり、緩和強化と見なされなくなる恐れもある」という。ただ、「7月にも再延長や、円高圧力の吸収を意図した10年金利のレンジ拡大があるリスクはある」という。

追加緩和の引き金は為替

  日銀が追加緩和に踏み切るきっかけとして為替相場の円高進行を挙げる向きが多い。東海東京調査センターの武藤弘明チーフエコノミストは「日銀は公式にはアナウンスしないが、物価以上に為替相場を重視しており、急激な円高が進むと見れば、手段が枯渇する中でも追加緩和策を絞り出してくるだろう」とみる。

  調査では、米国が利下げに踏み切った場合、ドル円相場は何円まで円高が進むか、日銀は何円で追加緩和に踏み切るか聞いたところ、中央値はそれぞれ1ドル=105円、100円だった。米国の早期利下げは織り込み済みで、追加緩和の手段も限られるため、105円を上回る円高にならない限り日銀は様子見を続けるとの見方も強い。

  大和総研の熊谷亮丸チーフエコノミストは「米国が目先0.25%の利下げに踏み切った場合、107円程度まで円が上昇する可能性がある」とした上で、「過去の経緯から、日銀が警戒感を示す水準は105円程度と思われるため、これだけを理由として日銀が直ちに追加緩和を行う可能性は限定的」とみている。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE