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【コラム】株価回復、それでも米金融当局は難しい立場に

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Photographer: Drew Angerer/Getty Images

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米国株に多額の資金をつぎ込んでいる投資家にとって、先週は年初来で最高の1週間だっただろう。だが相場の反発は、市場行動や政策、経済についていくつかの疑問を提起する。現段階で決定的な答えは見つけられないが、投資ポートフォリオにはすでに影響が生じている。

  先週の米国株の堅調ぶりは、他の2市場の展開と好対照をなす。

  第1は、国債利回りの全般的な低下だ。米10年債利回りは2.10%を割り、ドイツ10年債利回りはマイナス0.26%となった。株式投資家にとって、これが中央銀行の政策がハト派的になることを示唆しているというなら好材料だ。だが、世界経済の成長見通し低下の兆しであるなら、そうでもない。

  これほどの低金利の影響は不透明だ。これが欧州の「日本化」を促すのだろうか。欧州ほどではないにしろ米国もそうなるのだろうか。これが金融市場の長期的な機能に及ぼす害は、どれほど深いのか。

  別の問題は、これほどの低金利にある債券ファンドに多額の投資資金が流入していることだ。これは適切で先見の明のあるリスク管理の兆しなのか、それとも後ろ向きで、損失を将来被りやすくする景気循環に沿った動きなのか。

  市場の動きとしてもう1つ注目に値するのは「ハイベータ」と呼ばれる高リスク資産のパフォーマンスで、米国株の大幅高にもかかわらず、新興市場や高利回り社債の重要なセグメントで経験則から見込まれたほど上昇したものがほとんどないことだ。これは単に一時的な現象なのか、世界経済に対する懸念が広がった結果なのか。

  金融政策に目を転じると、市場が織り込む利下げ幅と、それほど積極的な動きを正当化する状況を巡るコンセンサスの間にずれがある。

  米国債利回りの低下から判断すると、いまや向こう2四半期で75-100ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利下げが織り込まれている。これは米金融当局がこれまでに示唆した、あるいは短期的に示唆しそうな幅を大きく上回る。市場では、景気急減速という確証を待つのではなく、通商問題のほか、欧州など弱い国外経済に対処するためバッファーを作ろうとして米金融当局が「保険的な利下げ」としてハト派への傾斜を強めるとの解説が最も好まれている。

  だが、市場が見込む75-100bpの利下げは保険的な動きにしても行き過ぎで、米金融当局は何をしても不利になる状況に追い込まれつつある。つまり市場の期待に応えなくても、景気減速の確証に対応せざるを得なくなるとしても、いずれにせよ市場の安定を促すことができないという事態だ。

  (モハメド・エラリアン氏はブルームバーグ・オピニオンのコラムニストです。パシフィック・インベストメント・マネジメント=PIMCO=の親会社アリアンツのチーフ経済アドバイザーで、PIMCOでは最高経営責任者と共同最高投資責任者を務めました。著書には「世界経済 危険な明日」などがあります。このコラムの内容は必ずしも編集部やブルームバーグ・エル・ピー、オーナーらの意見を反映するものではありません)

原題:What the Market Rebound Is Telling Investors: Mohamed El-Erian(抜粋)

    This column does not necessarily reflect the opinion of the editorial board or Bloomberg LP and its owners.

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