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5年ぶり高値の鉄鉱石価格が打撃、鋼材への転嫁進めるーJFE副社長

  • 原料である鉄鉱石確保のためオーストラリアを中心に代替調達を検討
  • 米中貿易摩擦の影響で中国の鋼材がアジア市場に流入することを懸念

国内鉄鋼2位のJFEホールディングスは、鉄鋼製品の主原料である鉄鉱石価格が5年ぶりの高値を付けるなど高騰していることから、自動車メーカーなどの顧客に対して鋼材販売価格の値上げを求めていく方針だ。

  寺畑雅史副社長が6日、ブルームバーグとのインタビューで述べた。1トン当たり約100ドルの足元の鉄鉱石価格については業績予想に「織り込んでいない」と言い、会社想定を上回る水準で価格が推移しているとの認識を示した。

JFE Steel Corp. Plant As Japan Seeks Tariff Exemption

JFEスチール・東日本製鉄所

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  すでに収益の圧迫要因となっている合金鉄などの副原料や資材費、物流費の上昇分に加え、鉄鉱石価格の上昇が反映される第2四半期(7ー9月期)以降のコスト増加分についても、顧客に対して製品価格の値上げに理解を求めていく考えだ。

  鉄鉱石価格の上昇を招いたのは、ブラジルで1月に起きた世界最大手ヴァーレの鉱山ダム決壊事故。ミナスジェライス州に保有する鉱山ダムで死傷者を伴う事故が起きて以降、同社が当初計画していた19年の生産量4億トンのうち4分の1弱の鉱山操業が止まった状態にある。

  指標となる中国向けのオーストラリア産鉄鉱石のスポット価格は、年初から4割超上昇して5月28日には1トン当たり106ドルと2014年4月以来の高値を付けた。足元でも100ドルに近い水準で推移している。

5年ぶり高値の鉄鉱石価格がコスト負担に

  寺畑副社長はヴァーレが減産を継続する中、原料確保のためオーストラリアを中心に代替調達を検討していることも明らかにした。ヴァーレに対しては契約した量を供給するよう求める一方、2月には中国の春節に伴う連休期間中にスポット契約で購入するなど、在庫の積み増しを図ってきた。同社は輸入する鉄鉱石のうちブラジルから25%、オーストラリアからは55%をそれぞれ調達している。

  米中貿易摩擦については「直接的な大きな影響はない」としながらも今後、景気が落ち込み、中国での鉄鋼需要の減速につながることを警戒する。現在は公共投資など政府の景気刺激策に支えられ内需は堅調に推移しているというが、景気減速により自国で鋼材を消費できなくなれば、数年前のようにアジア市場に安い鋼材が大量に輸出される恐れがあると指摘。市況下落を招くなど「大きな懸念」であると述べた。

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