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Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

米利下げ観測、雇用統計受け強まる-「いつ、どの程度」が次の焦点か

  • FRBウオッチャーは利下げ時期の見通しを7月と9月に前倒し
  • 市場にサプライズをもたらすため0.5ポイント利下げ見込む声も
The Marriner S. Eccles Federal Reserve building stands in Washington, D.C., U.S., on Monday, April 8, 2019. The Federal Reserve Board today is considering new rules governing the oversight of foreign banks. Chairman Jerome Powell said the Fed wants foreign lenders treated similarly to U.S. banks.
Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長ら金融当局者は、利下げに関して3つの疑問に直面している。まず利下げするかどうか。次に利下げするならそれはいつか。そして、どの程度利下げするかだ。

  トランプ大統領は7日遅くに対メキシコ関税の発動見送り決定を明らかにしたが、5月の米雇用統計が予想外の弱い数字となったことで、年内利下げの可能性が高まったとFRBウオッチャーは指摘する。

Fed Chairman Jerome Powell Holds News Conference Following FOMC Rate Decision

パウエル議長

Photographer: Anna Moneymaker/Bloomberg

  これに比べ、金融当局がいつ行動を起こすのかに加え、利下げ幅について従来の線に沿った25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)となるのか、一段と大きな効果を狙って50bpともっと大胆な動きとするのかはあまりはっきりしていない。

  5月の非農業部門雇用者数の伸びが急激に鈍化したのを受け、JPモルガン・チェースの米国担当チーフエコノミスト、マイケル・フェロリ氏は「金融当局が利下げするとの見通しについて、われわれが自信を深めたのは明らかだ」と語った。米国が移民流入対策を巡ってメキシコと合意に達し、同国からの輸入品に関税を賦課するリスクは取り除かれたものの、フェロリ氏は米金融当局が9月と12月に0.25ポイントずつ利下げすると見込んでいる。

U.S. economy added 75,000 workers in May as jobless rate held steady

  パウエル議長をはじめとする当局者は今月18、19両日の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げに絡んだこれら3つの疑問について初期的な議論を開始すると予想される。しかし、結論に至る公算は小さいと受け止められている。

  その代わりに、恐らく今月の会合では声明の文言を変更し、早ければ7月30、31両日のFOMCで緩和を決める可能性にオープンな姿勢であることを示唆するのではないかと、エコノミストは考えている。

  バンク・オブ・アメリカ(BofA)のエコノミストであるジョゼフ・ソン、ミシェル・マイヤー両氏は7日の顧客向けリポートで、「6月の会合では非常にハト派的なメッセージが発せられる可能性が大きい」と記した。

  直近の経済指標を受けて、米利下げ開始の時期が早まる公算が大きくなったとみるFRBウオッチャーもいる。マクロポリシー・パースペクティブズの創業者、ジュリア・コロナド社長は7月と9月に0.25ポイントずつの利下げを予想し、従来の9月と12月から前倒しした。

  バークレイズのエコノミスト、マイケル・ゲーペン、ジョナサン・ミラー両氏も利下げ時期の見通しを7月と9月に前倒ししたが、このうち7月の利下げ幅は0.5ポイント、9月は0.25ポイントと見込む。

  米国担当シニアエコノミストを務めるミラー氏は「まず50bpの利下げでスタートすると考える理由は、市場にサプライズをもたらすことに重要点が置かれると想定するためだ。弾薬に乏しい中で、大きな動きでその効果を高めるというわけだ」と説明した。

  一方、利下げ幅を大きくすることに難点があるとすれば、経済が実態よりもずっと悪い状態にあると受け止められたり、金融当局がパニックに陥っていると解釈されたりして、投資家に動揺をもたらしかねない点だろう。

原題:Fed Rate Cut Looks More Likely: Question Is When and by How Much(抜粋)

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