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貿易巡る緊張の高まり警戒、さらなる行動用意-福岡G20閉幕へ

更新日時
  • 世界経済の成長は引き続き弱く下方リスクに傾いている-共同声明案
  • 日米財務相会談、経済・安全保障で緊密関係の継続協議と米財務長官

20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は9日、福岡市で2日目の討議後、共同声明を採択して閉幕する。声明には貿易摩擦など世界経済のリスクが高まった場合、さらなる行動を取る用意があることを盛り込む見通し。同日午前に行われた日米財務相会談では、経済・安全保障問題での両国の緊密な関係の継続について協議した。

  ブルームバーグが9日確認した共同声明の最終案では、世界的な成長が「安定しつつあるように見える」としながらも、成長は「引き続き低く、リスクはなお下方向に傾いている」と指摘。「何よりも重要なのは、貿易・地政学的緊張が高まっていることだ。われわれはこうしたリスクに引き続き対処し、さらなる行動を起こす用意がある」と明記している。

  さらに、昨年の会合で決まった貿易に関するコミットメントと自国の競争力を高める目的で通貨切り下げを行わないとした約束を再確認する。

G-20 Finance Ministers and Central Bank Governors Meeting

福岡で開かれたG20財務相・中銀総裁会議

Photographer: Franck Robichon/Pool via Bloomberg

  ムニューシン米財務長官は9日午前、日米財務相会談に関し自身のツイッターで、福岡G20での麻生太郎副総理兼務相のもてなしに感謝を伝えたとした上で、「多くの経済や安全保障の問題にわたる両国の緊密な関係の継続について協議した」と明らかにした。長官は前日、意図的な通貨安誘導を禁じる「為替条項について議論する計画はない」との考えを表明。財務省幹部も、会談では為替問題ではなく、マクロ経済、イランや北朝鮮などの制裁問題を協議するとの見通しを示していた。

  2日目のG20では、デジタル課税を含む国際租税について議論し、国際的に活躍する巨大IT企業の租税回避を防ぎ、新たな課税方法を協議する経済協力開発機構(OECD)の作業計画を承認する見通し。貿易摩擦の背景にあるグローバルインバランスに関しては、日本は経常収支を対象とし、2国間の貿易上の措置ではなくマクロ経済での多国間協力を通じて対処する必要性を主張する。同日夕の閉幕後、麻生財務相と黒田東彦日本銀行総裁が議長国として記者会見する予定。

G-20 Finance Ministers and Central Bank Governors Meeting

黒田東彦日銀総裁と麻生太郎財務相

Photographer: Kim Kyung-Hoon/Pool via Bloomberg

  8日の世界経済を巡る議論では、「非常に多くの国から、貿易摩擦の激化については世界経済に対する大きな下方リスクだとの懸念の声が出た」(財務省幹部)。麻生財務相は初日の会議終了後の記者会見で、「米中貿易摩擦の帰結は不透明」とした上で、「解決しないとさらに市場の信頼を損なう恐れがあるのではないか」と懸念を表明した。

(共同声明の最終案の内容を盛り込んで更新します.)
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