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トランプ減税の恩恵、トランプ関税で吹き飛ぶ-実質増税に

2017年の米税制改革で平均的な世帯が受けた恩恵は、トランプ大統領が仕掛けた貿易戦争の影響で大半が吹き飛び、今では正味100ドルしか残っていない。これだけで済まされるなら、まだましな方だ。

  トランプ大統領が発表、もしくは検討中の追加関税で、わずかに残った100ドルも間もなく水の泡になる可能性がある。トランプ氏が警告通り、事実上全ての中国およびメキシコ製品に関税を賦課した場合、これら中間所得層への追加負担は約4000ドルに上るかもしれない。減税分を差し引くと、追加関税は平均世帯で約3000ドルの増税と同じことになる。

  アーバン・ブルッキングス税務政策センターによると、米国の中間所得層が受けた減税は平均930ドル。またニューヨーク連銀の調査では、これまでに発動された関税は平均世帯に対し約831ドルの負担になったと推計されている。

  中国とメキシコに対する関税、またそれに続く報復合戦の多大な影響を考慮すると、関税は消費者に3994ドルの追加負担をかける計算になる。これは、トランプ減税で中間所得層が得た減税額930ドルの4倍余りだ。

  企業と消費者の両方に対し、関税はトランプ減税の恩恵を「明らかにぶち壊しにした」と、ケイトー研究所のダニエル・アイケンソン氏は述べた。「これまでは多くの世帯と消費者が影響を免れていたが、次の関税では問題がより大きくなる」という。

'Cause I'm Already Gone

The majority of the average annual tax cut for middle earners has been eroded by the cost of higher import tariffs already in effect.

Sources: Urban-Brookings Tax Policy Center, New York Federal Reserve

  今のところ、関税の影響は米国の平均的な消費者が気付くところには至っていないが、状況は近く急変する可能性がある。メキシコと米国の交渉担当者の間で土壇場の合意がないかぎり、米の対メキシコ関税は10日に発動する。消費財に影響が及ぶ対中関税も、数カ月内に現実のものとなる可能性がある。

  25%以上の関税で「物価が突然25%跳ね上がるわけではないが、10%や11%の上昇はあり得る」と、エドワード・ジョーンズの株式担当上席アナリスト、ブライアン・ヤーブロー氏は語る。「いずれは物価上昇が需要を押さえつけ、販売減少につながるだろう」と続けた。

'Cause I'm Already Gone

The majority of the average annual tax cut for middle earners has been eroded by the cost of higher import tariffs already in effect.

Sources: Urban-Brookings Tax Policy Center, New York Federal Reserve

原題:Trump’s Tariffs Have Wiped Out Most Families’ Tax Cut Gains(抜粋)

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