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アジアの三井住友Fを構築へ、商業銀行の買収を検討ー太田社長

  • ベトナムやフィリピン、インドなど経済成長の高い国が選択肢
  • 自社株買いと成長投資で今後4年間で計1兆6000億円の資金余力

三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)は、アジア地域で商業銀行の買収を足掛かりに、総合的な金融サービスの提供拡大に乗り出す方針だ。買収した商業銀行を中心に販売金融や証券など幅広く展開することで、同地域での存在感の向上を目指す。

  太田純社長が5日、インタビューで述べた。ベトナムやフィリピン、インドなど国内総生産(GDP)が伸びている国での商業銀行を買収の選択肢にする。将来のビジネスプラットホーム(土台)としての位置付けで、今後資本市場が大きくなった際には総合金融サービスを提供できる「アジアのSMFGを作っていきたい」との考えを示した。

SMFG

三井住友フィナンシャルグループ・太田社長

Photographer: Shoko Takayasu/Bloomberg

  三井住友Fは2015年にアジア・大洋州トランザクションバンキング営業部を設置し、同地域での融資や決済、貿易金融など顧客企業の資金一元管理業務を強化。合わせてソリューション提案機能や、審査・決済体制の強化を進め存在感の拡大を図ってきた。今年2月にはインドネシアの現地法人と40%出資先の現地銀行BTPNとを合併させている。

  デジタル化が進む中で、商業銀行がレガシー(時代遅れの遺産)になるとの指摘もあるが、太田氏は「やり方はいろいろある」と否定。小規模であっても商業銀行を展開できるライセンスと一定のガバナンスを持っていれば、「それをベースにモバイルバンキングを展開する」などグループ構築のコアになれるとの見方を示した。

  背景には、これまで成長の柱と位置付け強化してきた海外業務が、リスクアセットや外貨調達の制約から大きく伸ばせないという経営環境の変化がある。太田氏は、今後は資産や資本効率を高めるための「2階建ての成長戦略」を掲げ、1階部分では先進国で株主資本利益率(ROE)向上のためのアセットを、2階部分として発展途上国で将来ビジネスのプラットホームを投資対象にすると語った。

  ROE向上に直接寄与する先進国のアセットとしては、航空機リースや貨車リース、アクイジションファイナンスなどを挙げた。ビジネス環境が現状のままであれば、今後4年間で自社株買いと成長投資に使える資金余力は1兆6000億円程度が見込めるという。

消費増税延期で外貨調達に影響も

  外貨調達では、政府が10月に予定している消費増税を延期した場合に想定される日本国債格下げの影響を注視している。銀行間取引市場で傘下の三井住友銀行の短期格付けが下がることは「何かが起きた時に市場調達ができなくなる」ことを意味し、「非常にリスキー」だと述べた。

  足元では、調達コストを意識して日本円を外貨に替える中長期の円投を増やしたほか、長期に安定的に外貨を調達できるカバード債を発行するなど調達手段を増やしているが、「消費増税の延期のインパクトがあることは確かなので、われわれとしては増税を実行してほしい」と述べた。

  19年3月公表資料によると三井住友Fの外貨貸出金残高3030億ドルに対し、調達は3280億ドル。うち安定性のある顧客性預金は約68パーセントを占めており、格下げ要因を除けば海外貸し出しが年5%程度伸びても調達に問題はないと述べた。

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