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「オオカミの文化」のファーウェイ、社員は米国に徹底抗戦の構え

  • 独立した通信技術産業を持つ中国に対する戦争と語るエンジニア
  • 中国政府による援護射撃を確信している社員もいる

中国最大のテクノロジー企業、華為技術(ファーウェイ)が中国南部に置く広大なキャンパスで目にするのは、何とも目まぐるしい動きだ。何台ものネオングリーンのミ二バンが24時間体制で従業員を運ぶためひっきりなしに建物の間を行き来している。オフィス内の蛍光灯は夜通し明るく、社員食堂も深夜近くまで開いている。

  一部社員や社外の人々が「オオカミの文化」と呼ぶ積極的なアプローチでここまで大きくなったファーウェイは、トランプ米大統領が仕掛けた米中貿易戦争の最前線に立つ。米商務省は5月17日、ファーウェイに対する事実上の禁輸措置を講じた。

  事情に詳しい関係者によれば、米国製のソフトウエアや回路に頼らなくて済むようにしようと、ファーウェイが上海と深圳、西安に置く拠点では1万人もの開発担当者が1日3交代制で働いている。守衛や運転手を含めた誰もが政治や市場の圧力増大に備えるよう指示されているという。ファーウェイは緊急事態に備えた対応策があると述べる以外、コメントを控えている。

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ファーウェイユニバーシティーで研修を受ける新入社員(中国広東省東莞、5月23日)

撮影:Qilai Shen / Bloomberg

  同社で通信半導体担当の小さな研究開発チームの責任者を務めるエンジニアは「勝てるかどうかが問題ではない。勝たなければならない」と言う。「これは独立した通信テクノロジー産業を持つ中国に対する戦争」だとの認識だ。従業員は報道機関の取材を受けてはならないと警告されているため、匿名を条件に語ってくれた。従業員用のオンラインフォーラムには「黄金のよろいをまとった戦士はアメリカのトランプを打ち負かすまで絶対に家には戻らない」とのメッセージすら掲載された。

  事情に詳しい関係者によると、ファーウェイは自社事業を少なくとも3カ月継続するのに十分な半導体などの重要部品を蓄えている。全従業員18万人の中には、中国政府が米国と対立を解消すると引き続き楽観している者もいれば、中国政府がファーウェイを支えるため資本もしくは政策の変更で援護射撃をしてくれると確信している社員もいる。

Companies and People Banned by the Commerce Department in the Past Year

By country of origin

Data: Commerce Department

  ファーウェイが米国のブラックリストに掲載された5月17日、中国は国内の半導体設計・ソフトウエア企業に対する税の減免措置を発表。ファーウェイ傘下の半導体設計会社ハイシリコンが今後2年間、税金の支払いを免除されることになった。

  東京からシドニーに至る世界各地のファーウェイ拠点で懸念が広がっていると話す従業員もいる。「ファーウェイを巡る悪いニュースが毎日報じられ、悪影響は否定できない。だが日本にいる社員は元気だ。いつも通り仕事をし続けるだけだ。応援しようとしてくれる顧客もいる」と1人の従業員は述べた。

  ただトランプ政権は引き続き世界各国の政府に対してファーウェイ製品の使用を避けるよう要請しており、オーストラリアとニュージーランドはすでに禁止措置を講じている。日本も事実上、同調。スタンフォード・C・バーンスタインのアナリスト、クリス・レーン氏は「もし禁止措置が長期間続けば、ファーウェイは大きな市場シェアを失う」と予想している。

(原文は「ブルームバーグ・ビジネスウィーク」誌に掲載)

原題:Huawei Engineers Go to 24-Hour Days to Beat Trump Blacklist(抜粋)

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