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FRB議長、貿易緊張で必要なら利下げの可能性閉ざさないと示唆

更新日時
  • 貿易交渉の問題はいつどのように解決するか不透明-パウエル議長
  • 2つの責務を達成維持する政策を実施する方針だとクラリダ副議長

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、深刻化する米国と主要貿易相手国との対立の影響を今後も注視していくとし、必要なら利下げの可能性も閉ざさない姿勢を示唆した。

  議長は4日、シカゴ連銀で開かれた会議で講演し、「貿易交渉などの問題」に関して「どのように、またいつ解決するのか分からない」と指摘。その上で、「そうした状況が米経済の行方に与える影響を注意深く観察し、これまでと同様、景気拡大を維持するためわれわれは適切な行動を取る。労働市場は力強く、インフレ率は上下対称的な2%の当局目標付近にある」と述べた。

Key Speakers At The Monetary Policy Strategy, Tools, And Communication Practices Conference

パウエル議長(6月4日)

Photographer: Taylor Glascock/Bloomberg

  クラリダFRB副議長もその後の発言でパウエル議長のメッセージを補強した。同副議長はパウエル議長の講演後、CNBCとのインタビューで、金融当局は「物価安定と最大限の雇用を達成するだけでなく維持する政策を実施する方針であり、われわれは必要ならそれを行う」と語った。また、当局は金融市場の動きに「束縛される」わけにはいかないとした上で、逆イールドが長引けば真剣に受け止めるつもりだが、現状では強い懸念のシグナルとみるのは時期尚早だと指摘した。

  貿易摩擦がエスカレートする中、市場では年内の利下げ予想が強まっている。グラント・ソーントンのチーフエコノミスト、ダイアン・スウォンク氏は「パウエル議長は綱渡り状態だ。経済成長がなお堅調な中で楽観を維持したいと考えながらも、必要となれば利下げもいとわない意向だろう」と指摘。「利下げの敷居は低くなってきた」との見方を示した。

  パウエル議長はまた、労働市場の引き締まりに対するインフレの感応度が低下し、回復局面でインフレ率を目標に回帰させるのが困難になっていると説明。しかし、「インフレ加速のために金融政策を使って労働市場に強力にてこ入れしようとすれば、金融市場などに行き過ぎの不安定化リスクを引き起こしかねない」とし、低金利維持が正解とはならない可能性に言及した。

パウエル議長の講演(一部抜粋)

Source: Bloomberg)

原題:Powell Signals Openness to Fed Cut If Needed Over Trade Tensions(抜粋)

(クラリダ副議長のコメントを追加し、更新します.)
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