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世界の製造業で痛み始めた貿易戦争の傷-ウォール街は景気後退を警告

  • 米製造業PMI、2009年以来の低水準-欧州やアジアも活動縮小
  • 予測不能な先行き、投資家の思考に影響-チリングワース氏

貿易を巡る緊張は5月に製造業をさらに痛めつけ、世界経済が力を失いつつあるとの不安がさらに強まった。

  韓国やドイツ、日本に至る各国で製造業悪化の新たな兆しが鮮明になり、激化する米中の貿易戦争が世界経済を脅かしている構図がこれまで以上に浮き彫りになった。米国ではマークイット・エコノミクスが発表した5月の製造業購買担当者指数(PMI)改定値が前月からわずかに低下し、2009年以来の低水準となった。ウォール街からはリセッション(景気後退)のリスクを警告する声が強まっている。

European manufacturing industry remains in a weakened state

  
  欧州連合(EU)離脱を巡る不透明感に覆われた英経済では、製造業購買担当者指数(PMI)がほぼ3年ぶりに50を割り込み、活動縮小を示した。

  ロンドンの投資会社ラスボーン・ブラザーズで資産運用に携わるジュリアン・チリングワース氏は、「この数週間、投資家の信頼感は間違いなく揺らいだはずだ」とブルームバーグテレビジョンで話した。「投資家の思考が不透明感に覆われるようになったのは、先行きを予測できない状況が原因だ」と続けた。

  韓国のPMIも5月に50を割り込み、48.4に低下。日本や中国への販売不振と、半導体および自動車産業の成長減速が指摘されている。

  新車需要の冷え込みは日本、ドイツをはじめ世界の自動車メーカーに打撃を与え、その余波はイタリアのタイヤメーカー、ピレリをはじめ自動車メーカーの外にも広がっている。

  中国では5月の財新製造業PMIが50.2で前月と変わらなかったが、5月31日に国家統計局が発表した同月のPMIは49.4と、再び50を下回った。

  ドイツでは5月の製造業PMIが44.3に低下。PMI統計をまとめるIHSマークイットはユーロ圏の製造業では国内外での需要低下が報告されており、不振を「抜け出せないでいる」と指摘した。

原題:Factories Feel Trade Pain as Wall Street Sees Recession Risk (1)(抜粋)

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