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新エネルギー車タウンは野心の象徴-経済の自立・基盤拡大図る中国

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  • 米デトロイトのEV版とも言うべきNEVタウン
  • 中国で少なくとも20カ所建設中-投資額3兆円余り

中国最大の不動産開発会社、碧桂園のショールームでひときわ目立つのが、天井からつり下げられた電気自動車(EV)だ。モダンアート美術館の展示のようだが、産業界を握ろうとする中国の野心を象徴している。

  きれいに整備された道路を進むと10棟余りの高層ビルが現れる。中国の製造業中心地の一角を成す広東省仏山市で、「順徳新エネルギー車(NEV)タウン」の建設が進む。EV製造・研究の中心地となる予定で、将来的に地元経済に1000億元(約1兆5600億円)の収入を生む可能性があるというのが現地当局者の自慢だ。  

China’s $30 Billion Plan to Build Dozens of Electric Detroits

順徳NEVタウン内の碧桂園ショールーム

Photographer: Zoey Zhang/Bloomberg

  米デトロイトのEV版とも言うべきこうしたNEVタウンは、中国全土で少なくとも20カ所建設中だ。2025年までに製造業の超大国となることを目指す習近平国家主席は、国内EVメーカー500社が呼び水となってEV関連産業を引き寄せることを期待している。

  中国経済の自立性を高め、変動の大きい不動産・株式市場に頼ってきた投資の多様化を図る国家政策「中国製造2025」は、米中貿易戦争の争点となっている。
 

China’s $30 Billion Plan to Build Dozens of Electric Detroits

順徳NEVタウン

Photographer: Zoey Zhang/Bloomberg

  地元経済の活性化を探る地方政府は、このNEVタウン計画の一端を担うことを望んでいる。急成長しているEVセクターで何千にも及ぶハイテク関連の仕事を地元に引き付けようと、EVメーカーや部品メーカー、エンジ二アリング研究の施設に安価で土地を提供し、税も優遇、住宅補助金なども用意している。

   アリババ・グループ・ホールディングやフォックスコン・テクノロジー・グループが出資するEVスタートアップ企業、小鵬汽車の何小鵬会長は「NEVは地方政府が賭けてみるべき業界だ。EVメーカー1社が成功すれば、同業界の200社以上を1つの省に呼び込める可能性がある」と述べた。

  

In the Fast Lane

 

 

  ブルームバーグが発表に基づき算出したところによれば、こうしたNEVタウン開発にこれまで約束された投資額は2090億元(約3兆2700億円)に上る。ただ、この開発はトップの指令に基づく中国経済の形態も象徴している。

  中国では急速な都市化で利用可能なスペースが減っており、いずれは地価を押し上げ、都市計画法の厳格化を招くことになるが、地方政府はEVにコミットすれば貴重な農地の再開発で中央政府の認可を得やすくなり、市場価格より安く入居企業に提供することが可能になる。碧桂園は順徳NEVタウン建設に当たり区画を得るため、EV関連会社を呼び込み税収目標を達成すると約束している。

  順徳当局の担当者にコメントを求めたが返答はなかった。
 

Government's Bait

 

 

  碧桂園のプロジェクトを監督しているリウ・ウェイ氏は「従来型の自動車製造よりEVの業界チェーンははるかに広範囲に及ぶ。熱気は薄れるとわれわれは十分承知しているが、成長する新興企業もあるだろう。そうした企業に入居してもらいたい」と話した。
 

China’s $30 Billion Plan to Build Dozens of Electric Detroits

順徳NEVタウン

Photographer: Emma Dong/Bloomberg

原題:China’s Tech Ambitions Hinge on 20 Electric Versions of Detroit(抜粋)

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