ドル・円は1月以来の安値圏、米金利低下・株安で108円台前半
小宮弘子
更新日時
東京外国為替市場のドル・円相場は1ドル=108円台前半と1月以来の安値圏。米国による貿易戦争の拡大からリスク回避の流れが続き、米長期金利の低下や世界的な株安がドル売り・円買いが先行した。その後は、欧州時間に向けて値を戻す展開となっている。
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市場関係者の見方

あおぞら銀行の諸我晃総合資金部部長
- 108円どころまで売り込まれてもなんとか留まったので、買い戻しが入りやすい地合だったのと、株も少し落ち着いてきて、午前に発表された中国指標も若干予想よりは良かったということで人民元が買われたり、豪ドルが買われたりして、ロンドン時間に入り少し買い戻しが入り始めた
- 今週は雇用統計含めて米経済指標で米経済の状況を判断していくことに。米供給管理協会(ISM)指数が悪いと108円を割れる可能性は十分あるし、逆にある程度の数字であれば今金利低下がオーバーシュートしている面もあるので、米金利とともにドル・円も戻っていくことも考えられる
- もっとも、米中貿易問題もあり、メキシコにも関税ということなので、その辺のリスクでドル・円の上値は重く、まだ下値に警戒は必要
ソシエテ・ジェネラル銀行の鈴木恭輔為替資金営業部長
- フェデラルファンド(FF)金利先物をみても年内2回の米利下げ織り込みにきているし、米金利低下はオーバーシュート気味という感覚の方が正しいような気がする。ただ、反転の手掛かりはあまりない
- ドル・円の下落も予想外に速い。とりあえず107円50銭がキーポイントになってくると思うが、今日は少し動きが緩慢になっているので、そこまではなかなか照準を合わせられない
背景
- 中国の魏鳳和国防相は2日、米中間の貿易摩擦が拡大する中で、中国は米国との対話の門戸を開いているが、必要なら戦う用意があると言明
- 中国政府は同日公表した白書で、貿易協議の中断は米国に全責任があると非難
- 中国は1日、米国からの輸入品600億ドル分を対象とする報復関税税を発動
- トランプ大統領は週末、メキシコと中国からの輸入品に対する関税賦課や引き上げの正当性を主張
- トランプ政権はオーストラリアからの輸入製品への関税を先週検討したが、軍当局者や国務省からの反対に直面した、と米紙ニューヨーク・タイムズが報道
- 週明けアジア時間では米株価指数先物が下落。日経平均株価は190円安で終了
- 米10年債利回りはアジア時間の取引で2.12%前後と17年9月以来の低水準
- 中国の5月の財新製造業PMIは50.2と前月から横ばい、予想は50だった
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