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みずほFG社長:アジア成長取り込みへ、デジタルバンクに関心

  • 伝統的商業銀行より成長領域のデジタル化モデルに興味
  • トランザクションバンキング業務拡大で外貨調達の課題に対応

今年度からの経営計画で次世代金融への転換を目指すみずほフィナンシャルグループは、アジアの成長機会を取り込むに当たり、フィンテックを利用して金融取引をするデジタルバンクの存在に関心を寄せている。

  坂井辰史社長は5月30日、ブルームバーグとのインタビューで「世界経済をけん引するアジアの成長の取り込み」が成長投資の課題とした上で、個人顧客向けのリテール分野では伝統的商業銀行より「デジタル化されたビジネスモデルに興味がある」と述べた。設立を目指すのか、買収を検討するのかは「ケース・バイ・ケース」で、現時点で費用を織り込んでいるわけではないという。

Mizuho Financial Group CEO Tatsufumi Sakai Interview

みずほフィナンシャルグループ・坂井社長

Photographer: Keith Bedford/Bloomberg

  みずほは、新たな成長領域への経営資源集中投下を5年間の経営計画の重点戦略に挙げており、アジア経済圏の取り込みはその柱の一つ。海外業務粗利益に占めるアジア地域の割合は年々増加し、2019年3月末時点では約45%を占めている

  若い世代の人口が多いアジアの金融ニーズは間違いなく拡大すると坂井氏は見込んでおり、金融の在り方も大きく構造変化をしていると指摘。「今後伸びる分野」を補足することは成長性の面で大きな意味があり、金融ノウハウでも相乗効果が見込めるようなら投資もあり得るとの見方を示した。

  世界銀行によると、19年の世界成長率は2.9%に減速の見込み。貿易を巡る緊張感は高く、金融環境もタイト化している。一方、東アジア・太平洋地域は引き続き最も成長ペースが著しく、域内成長率は鈍化するものの6%程度になると世銀はみる。

  国内大手では、三井住友銀行が2月、インドネシアの現地法人と40%出資先の現地銀行BTPNとを合併させた。三菱UFJフィナンシャル・グループは4月、インドネシア商業銀行大手ダナモン銀行に追加出資をして連結子会社化するなど、アジア進出を加速させている。

外貨調達が鍵

  事業のグローバル展開にあたってもうひとつの鍵となるのは外貨調達だ。坂井氏は、海外貸し出しを伸ばす上で「今後の足腰に関わってくる」として、安定性のある顧客預金をいかに集めるかが重要になると語った。

  具体的には、これまで力を入れてきたアジア地域の融資や決済、貿易金融など顧客企業の資金を一元管理するトランザクションバンキング業務をさらに高度化することで、「ドルのフローをしっかり取っていく」と述べた。

  坂井氏は、トランザクションバンキング業務は今後数年、システム投資などの理由で経費率の改善が見込めないとしながらも、市場での認識は高まっており「その先への礎はできている」と評価。同業務の強化が外貨預貸ギャップの解消にもつながると語った。19年3月末の外貨貸し出しに対する預金の割合は74%。

  メガ3行は米ドル建ての流動性が潤沢だった2013年ごろから海外貸し出しを積極的に広げてきたが、金利上昇に伴い資金調達はタイト化している。超低金利環境下の国内で利益を稼げない銀行にとって海外事業の拡大は急務だが、海外預金の取り込みスピードは追い付いていない。預金は個人より安定性が低いホールセールの割合が高い傾向にある。

  金融庁は18年7月からの事務年度行政方針で、日本の大手銀行グループはグローバルな収益追求によるリスクが蓄積しており、海外業務が拡大する中、安定的な外貨調達に向けた取り組みが課題と指摘していた。

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