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モルガンS:日本でオルタナ提案を強化、世界的な低金利は大きな好機

  • 2ー3年内に日本拠点のAUMの比率を世界全体の1割強に拡大へ
  • 運用難で地銀や中小の生保もオルタナ投資を検討するなど裾野拡大

モルガン・スタンレーは世界的に低迷する運用環境を好機と見て、日本の機関投資家に資産運用ビジネスで攻勢をかける。米国などの拠点網をフル稼働させ、運用収益を狙える資産を厳選。特に株、債券などの伝統的な商品分野に属さない代替(オルタナティブ)投資に注力し、運用残高と利益の拡大を狙う。

  日本の運用子会社モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントの清水寛之社長がブルームバーグのインタビューに答えた。清水社長はここ数年の世界的な低金利による非常に厳しい運用環境は「われわれ運用会社にとっては大きなチャンスだ」と強調。実際に2016年10月の社長就任以来、国内の運用資産残高(AUM)は5割程度増えたという。

Morgan Stanley Headquarters Ahead Of Earnings Figures

モルガン・スタンレー本社(ニューヨーク)

Photographer: Bess Adler/Bloomberg

  清水社長はモルガンSインベストメントの世界全体のAUMと利益に占める日本の貢献度を2、3年以内に10%強に引き上げる方針を示した。モルガンSインベストメントの3月末のAUM(助言資産含む、短期資金運用分除く)は約3210億ドル(約35兆5000億円)。日本拠点のAUMは昨年12月末時点で約3兆1000億円と8.7%程度の貢献になっている。

  特に、同社商品として国内顧客にはまだなじみが薄いオルタナティブ投資に期待を寄せる。清水社長は世界的な低金利に加えて、対ドルの為替ヘッジコスト上昇が重なり、海外の資産であっても株や債券ではリターンが出にくくなっていると指摘。リターンを求めて、首都圏の大手の金融法人や年金に加え、地方銀行や中小の生命保険などもオルタナティブ投資を検討するなど裾野が拡大しているという。

  品ぞろえとしては、プライベートエクイティ(PE、未公開株)や不動産、インフラ、中堅・中小企業向けローンで運用するファンドに投融資するダイレクトレンディングなど。例えば不動産であれば価格が高騰している米主要都市ではなく、人口が流入している地方都市に注目するなど拠点網を生かし、中堅・中小資産を狙う戦略が強みだという。

  清水社長は、現在の同社国内AUMに占めるオルタナティブ投資の割合は「5%には全然いかない」としつつ、「より積極的にご案内できるのではないか。顧客のニーズ次第なので残高目標などは特にないが、成長可能性が非常に高いと思っている」と期待感を示した。

  モルガンSインベストメントはモルガンSの資産運用部門として1975年に設立され、日本進出は87年。機関投資家向け事業のほか、リテール向けでは国内投資信託会社が同社に運用を一任した公募投信を販売している。清水社長はゴールドマン・サックス証券マネージング・ディレクター、KKRキャピタル・マーケッツの代表取締役などを経て就任した。

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