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1-3月設備投資は10期連続プラス-市場予想を上回る

更新日時
  • 設備投資は前年同期比6.1%増、除くソフトウエアは6.9%増
  • 非製造業は人手不足が鮮明、製造業も底堅い-大和総研の鈴木氏

財務省が3日発表した法人企業統計によると、2019年1ー3月期の全産業(金融・保険を除く)の設備投資は前年同期比で10四半期連続のプラスとなった。市場予想を上回った。

キーポイント

  • 設備投資額は前年同期比6.1%増の15兆6763億円(ブルームバーグ調査の予想中央値は2.6%増)-前期は5.7%増
    • 製造業は8.5%増、非製造業は5.0%増
  • 国内総生産(GDP)改定値に反映されるソフトウエア除く設備投資は同6.9%増の14兆3618億円(予想は2.3%増)-前期は5.5%増
  • 全産業の売上高は同3.0%増の372兆5204億円-前期は3.7%増
  • 全産業の経常利益は同10.3%増の22兆2440億円-前期は7.0%減
設備投資の推移

エコノミストの見方

大和総研の鈴木雄大郎エコノミスト:

  • 設備投資は想定以上に強かった。18年10-12月期に予想以上に弱かった非製造業で再度加速したことが全体を下支えした。非製造業は人手不足が鮮明で、省人化対応のIT投資が寄与。製造業も底堅く予想を上回った
  • 5月上旬に米中関税3、4弾で一気に動きが変わった。その影響による減速は十分考えられる。機械受注でも強かった4-6月期見通しには米中の大型連休明けの影響は含まれていない。様子見の動きが出る可能性も
  • GDP改定値では設備投資は上昇修正されるだろう。在庫や公的資本形成が若干下方修正され、全体のヘッドラインはあまり変わらないという印象
  • 設備投資に変動があるものの、消費は底堅さを示している。先行き景気後退は考えていないが、景気の踊り場局面が続くだろう
  • 経常利益は、製造業と非製造業で明暗が分かれた。特に製造業は米中貿易摩擦や世界経済減速で1-3月期に輸出がさえなかった

クレディ・スイス証券の塩野剛志エコノミスト:

  • 非製造業が設備投資を引っ張る形になっている。消費増税前の駆け込み、オリンピック関連の需要が引き続き押し上げている
  • 全体的に省力化投資などの需要が支えているが、製造業は中国経済の減速、ITセクターの調整、米中貿易摩擦激化などが重しとなりマイナスに転じている。ヘッドラインの数字が示すように全てが良いわけではない
  • これがGDPにどう影響するのか現時点で明確なことは言えない。設備投資は当然プラスの影響だが、速報で1-3月期GDPを押し上げた在庫は下がっており、設備投資のプラス寄与を抑えるような形になる。ただはっきり言えるのは、GDPの大きな下方修正が懸念されていたが、その可能性は相当低下した。数字だけで見るとGDPは良かったということになる
  • 消費増税に関しては延期しづらくなった。利益も戻ってきており、経済データをもってリーマン級ショックと言えるものは現段階で見当たらない

                   
          

Mitsubishi Motors CEO Osamu Masuko Attends Plant Tour

三菱自動車・水島製作所の軽自動車生産ライン

Photographer: Buddhika Weerasinghe/Bloomberg

詳細

  • 設備投資は全産業で10期連続プラス、過去3番目の高水準-財務省担当者
    • 製造業の増加要因は、化学で自動車向け素材や化粧品、生産用機械で建設機械、金属製品で自動車向け部品などの生産能力増強投資が寄与
    • 非製造業は、物品賃貸業でリース資産の建設機械、情報通信機器への投資増加、陸運業で安全対策投資や駅周辺再開発が寄与
  • 売上高は10期連続プラスで過去9番目の高水準。経常利益は2期ぶりプラスで過去3番目の高水準、1-3月期では過去最高-財務省
  • 全産業での2期ぶり増益、設備投資の10期連続増を踏まえると、月例経済報告の「景気は緩やかに回復している」との経済全体の傾向反映-財務省
  • 製造業での3期連続の経常減益は、少し傾向の変化が見て取れる-財務省
    • 中国向けの影響も出てきており、電気機械で中国経済減速などからスマートフォン向けが減少、輸送用機械で中国向け部品の製造工場の稼働率が低下

背景

  • 1-3月期の実質GDP(速報値)は2四半期連続のプラス成長。もっとも、個人消費と設備投資、輸出がマイナスとなる中、大きく落ち込んだ輸入が全体を押し上げた格好だけに、実体経済は数字ほど強くないとみるエコノミストが多い。改定値は10日に発表
  • 4月公表の日銀短観によると、全規模・全産業の土地を除いた設備投資計画は18年度の前年度比9.1%増から19年度は0.4%増に減速する見通し
  • 政府は5月の月例経済報告で、国内景気の総括判断を中国経済の減速などの影響を踏まえ2カ月ぶりに下方修正。設備投資については32カ月ぶりに引き下げた
(詳細を追加し、エコノミストコメントを差し替えて更新します.)
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