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トランプ氏のメキシコ関税、「重大なリスク」とウォール街は酷評

メキシコが米国への不法移民流入を止めるまで同国からの輸入品に関税を課すというトランプ大統領の方針は、アナリストやエコノミストから酷評されている。メキシコ、そして中国との貿易戦争への懸念は31日の金融市場で米国株を圧迫。S&P500種株価指数は3月上旬以来の安値を付ける場面があった。

S&P 500 slides as Trump vows Mexico tariffs, China prepares U.S. blacklist

  市場関係者の見解は以下の通り。

MUFGのクリス・ラプキー氏

  「中国からの輸入品、欧州からの自動車、そしてメキシコからの移民に対しこうした米国第一主義の貿易制裁で世界を根底から覆すのであれば、経済を大混乱に陥れるリスクも冒すことになる」と、リポートで指摘。

RBC、ローリ・カルバシナ氏

  「相場の反落はまだ本格的ではない」こともあり、「短期的にS&P500種の下振れリスクは拡大した」。「中国との通商合意はしばらくない」とRBCは予想。「メキシコへの新たな関税についてトランプ氏が昨夜投稿したツイートは、投資家の不安をあおる可能性が高い」

ドイツ銀行、トルステン・スロック氏

  「これは見通しへの重大なリスク」であり、「メキシコとの貿易は基本的にサプライチェーンの問題に尽きるが、事実上その全てが自動車関連だ」と、リポートで指摘

カウエン、クリス・クルーガー氏

  「トランプ氏は昨夜わずか数時間のうちに、米政権の貿易戦略が短期的に向かう方向性について、われわれの理解を全て覆した」。トランプ氏の「ワンツーパンチ」は「メキシコ、米国の両方で米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の通過を非常に困難にすると、当社は考える」

  「中国への追加関税を発表し、自称タリフ(関税)マンが復活した日曜日(5月4日)には、これは単に交渉上の戦術だとのコンセンサスを当社では感じ取っていた」。「それからの27日間に公式協議は行われず、輸送中の商品に対する関税賦課、および600億ドル相当の米国製品に対する中国の報復関税が発動するという状況になった」

レイモンド・ジェームズ、エド・ミルズ氏

  メキシコに対するトランプ氏の行動が、貿易を巡る米中の対立を一層悪化させる可能性に言及。「中国当局はこれまでに、貿易相手としてのトランプ大統領の信頼性に懸念を表明している」と説明。「関税は、USMCAが大きく前進したその日に発表された。合意の実効性が乏しいのであれば、交渉する必要はないと中国は考えるだろう。こうした行動によって、来月大阪で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会合で中身のある米中首脳会談が行われる見通しは、ますます怪しくなる」

原題:Wall Street Slams Trump’s Mexico Moves as a ‘Serious Risk’ (1)(抜粋)

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