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米の対メキシコ関税発表で中国との貿易合意さらに遠のく-アナリスト

  • 市場は新たなリスクに直面、サプライチェーンが再び一変か
  • トランプ氏のツイート、ぜい弱な世界貿易秩序に新たな打撃

米中貿易合意が成立する可能性は一段と低下した。米国への不法移民流入をメキシコが止めるまでは、同国に対する関税を最高25%まで引き上げていく方針をトランプ米大統領が打ち出したからだ。

  オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)のアジア調査責任者、クーン・ゴー氏は「米中貿易合意の可能性はさらに低下する」と指摘。「結局のところ、米国が関税を恣意(しい)的に課すことができるのであれば、合意をまとめることにどんな意味があるのだろうか」と語った。

President Trump Departs White House For Colorado

報道陣に話しかけるトランプ大統領(5月30日)

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

  投資家は既に世界の二大経済大国の経済対立長期化に備えている。企業はサプライチェーンを見直し、中国よりも米消費者に近い低コスト市場にシフトすることを検討していたため、メキシコは米中貿易協議の行き詰まりで恩恵を受ける可能性があった。今回のトランプ関税の拡大は、そうしたサプライチェーンの見直しプロセスを脅かすことになる。

  MUFGバンクの世界市場調査の東アジア責任者、クリフ・タン氏は北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」を「妨害するようなものだ」と述べ、「金づちしか持っていなければ、全ての問題がくぎのように見える」と付け加えた。

ブルームバーグのエコノミストの見方...

「メキシコと中国を巡る状況を見ると、米中協議が暗礁に乗り上げるとの懸念を強めるだろう。メキシコはNAFTAの修正を交渉したが、結局それは大幅な関税引き上げという打撃を受けるだけだった。中国を含め他の国々も注目し、米国と交渉して合意してもほとんど価値がないと恐らく結論付けるだろう」
- チャン・シュウ 、 増島雄樹 、 トム・オーリック
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  米国による最新の関税発表は31日午前のアジア市場を揺さぶった。トランプ大統領が関税発動を予定する6月10日を控えて、市場は一段の痛手を被るとアナリストらは予想している。

  INGグループのアジア太平洋地域調査責任者でチーフエコノミストのロブ・カーネル氏は、「さらにリスクオフの展開になることは明らかで、債券高は続く。株式相場の上向きの修正という見方は弱まり、ドルはじり高が続くだろう」と予想した。

原題: Mexico Tariffs Make China-U.S. Deal Less Likely, Analysts Say(抜粋)

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