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【日本株週間展望】弱含み、通商摩擦懸念広がる-米景況感を見極め

  • 米国はメキシコからの輸入品に関税上げ方針、米中摩擦は悪化傾向
  • ISM製造業や非製造業は改善見込みだが、下振れ圧力も

6月1週(3ー7日)の日本株は弱含みの展開が想定される。通商摩擦懸念の広がりがグローバル景気に悪影響を与えかねないとの見方が強まり、リスク資産を回避する流れが継続しそう。

  トランプ米大統領は30日、メキシコが米国への不法移民流入を止めるまで同国からの輸入品に関税を課し、関税率は当初の5%から最高25%まで引き上げる可能性があると表明した。中国が対米レアアース(希土類)輸出を制限する計画を用意するなど米国と中国との通商問題が長期化する中で、鎮静化していた米国・メキシコ間も新たに不透明要因として浮上。世界的な株式売り・債券買いの動きが加速しかねない状況にある。

  米国では3日に5月の米供給管理協会(ISM)製造業景況指数、5日にISM非製造業指数、7日には雇用統計が予定される。ブルームバーグが集計したエコノミスト予想はISM製造業が53.0(先月52.8)、非製造業が55.6(同55.5)への改善が見込まれる。雇用統計における非農業部門雇用者数の増加数は19万人(同26万3000人)へ鈍化が予想される。通商摩擦の激化から指標には下振れ圧力がかかりやすく、景況感の悪化が確認されれば株安要因になる。

  一方、景気への懸念を背景として、米長期金利は2.2%割れとなるなど急低下している。米連邦準備制度理事会(FRB)のクラリダ副議長は30日、米景気拡大へのリスクの高まりを認識すれば、金融当局として金融政策緩和の用意があると述べた。米金利低下や利下げ期待は株式市場をやや下支えする可能性がある。5月4週の日経平均株価は週間で2.4%安の2万0601円19銭と4週連続で下落。

≪市場関係者の見方≫
・三井住友DSアセットマネジメントの吉川雅幸チーフマクロストラテジスト
  「トランプ大統領の対メキシコへの対応は外交手段として異例。これ自体で世界経済や米国経済がすぐに変調を来たすものではないが、他国に圧力をかけるために関税をかけ、それに対する報復が広がっていけば世界的に貿易コストが上がり、実質所得が下がりかねない。同氏の外交手法に対する驚きがマーケットにショックを与えている。また、5月以降の米中懸念の高まりを考慮すると、ISMにも悪影響が出ると考えたほうがいい。製造業の悪化はある程度織り込んでいるが、市場では非製造業が安定していれば米景気は大丈夫という見方がある。もしISM非製造業や雇用統計が揺らぐと、株価も下へのリスクをみておく必要がある」

・セゾン投信の瀬下哲雄運用部長
  「リスクオフの流れが続く。米中貿易摩擦は米国の強硬姿勢に対して中国が報復色を強めており、6月下旬のG20で両国が歩み寄る期待はなくなった。逆に対立が激化する方向にあることから、ネガティブなニュースフローに支配されそう。米政権が一度妥結したメキシコに関税を課すことになり、先送りになった日米協議も急変する可能性は否定できず、警戒が必要。リスク回避から米長期金利の低下基調が変わらなければ、さらに円高圧力が掛かるため、日本株にとってマイナスに働く。米ISMは予想通りでも、貿易摩擦の影響は織り込まれていないことから、今後の悪化が懸念される」

下げが加速
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