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武田薬劣後債、利率1.72%で決定-ソフトバンクと並び国内最大

更新日時
  • 実質5年4カ月、スプレッドYMS+175bpに-適正レベルとの声
  • 発行額5000億円、シャイアー買収資金に充てた短期融資を借り換え

武田薬品工業が31日に5000億円の劣後債を起債した。国内社債では4月発行のソフトバンクグループの個人向け債と並んで過去最大額になる。

  武田債はコール(繰り上げ償還)が可能となる5年4カ月までの表面利率が円ミッドスワップ(YMS)に175bp上乗せの1.72%で決定した。償還年限は60年だが市場では5年4カ月が実質年限とみなされる。格付けは日本格付研究所(JCR)から「A-」を取得予定。武田薬は、シャイアー買収資金620億ドル(約6兆8000億円)の一部として調達した短期融資を今回の劣後債で借り換える。

Takeda Pharmaceutical CEO Christophe Weber News Conference

武田薬品工業グローバル本社

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  同債は、事業会社の劣後債に多く見られる初回コール時に100bpのステップアップ金利が付与されるスキームとは異なる。コールが見送られても金利のステップアップがなく、10年後にプラス25bp、25年後にプラス75bp(累計上乗せ100bp)となる。クーポン仕組み上では、初回コールで発行体が期限前償還するインセンティブは低く見える。

  ただ、初回コールまではJCRとスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が発行額の50%の資本性を認めており、コール期限以降はJCRが25%、S&Pがゼロに低下するため、コールの蓋然(がいぜん)性は資本性評価の低下がよりどころ。大和証券の大橋俊安チーフクレジットアナリストは17日付のリポートで、初回コール時点で「信用力評価が悪化していれば、発行時より高コストでのリプレイスメントの必要性が出てくる」と説明。シャイアー買収で悪化した財務を改善できなければ、「コールを見送るリスクは高まることになると意識しておくべき」という。

  社債発行市場では、不二製油グループ本社の劣後債(30年NC5、350億円程度)が、YMS+85ー100bp(31日現在)で需要調査中だ。格付けは日本投資情報センターから「BBB+」を取得予定で、6月7日に条件決定する。

  ある投資家は不二製油G債のスプレッドが2桁で落ち着きそうなことを考えると、武田債には格付け対比でスプレッドに割安感があると指摘。ただ、発行額が大きくネガティブなニュースが出た時に需給が一方向になる可能性や、初回コールの可能性が他の円債と比較してやや低いことを勘案すると適正レベルと見ている。

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