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5月東京消費者物価は伸び縮小、エネルギーと教養娯楽が押し下げ

更新日時
  • 外国パック旅行費や宿泊料は4月の一時的な動きが元に戻る-総務省
  • 物価の伸びは頭打ち感が強まっている-三菱モルガンの宮嵜氏

全国の物価の先行指標となる5月の東京都区部の消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は前月の伸びを下回った。エネルギーのほか、外国パック旅行費や宿泊料を含む教養娯楽サービスが全体を押し下げ、市場予想も下回った。上昇は23カ月連続。総務省が31日発表した。

キーポイント

  • 東京都区部コアCPIは前年比1.1%上昇(ブルームバーグの予想中央値は1.2%上昇)-前月は1.3%上昇
  • 生鮮食品とエネルギーを除くコアコアCPIは0.8%上昇(予想は1.0%上昇)ー前月は0.9%上昇
  • 総合CPIは1.1%上昇(予想は1.2%上昇)-前月は1.3%上昇
東京都区部コアCPIの推移

エコノミストの見方

三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所の宮嵜浩シニアエコノミスト:

  • 物価の伸びは頭打ち感が強まっている。10連休の反動が出た旅行関連を除いても、全体に勢いに欠けている
  • 生活必需品の値上げ報道が多かった割に、物価を押し上げている品目は見受けられない。中国人民元安で中国からの輸入品価格が下がっているため、全体に値上げしにくい状況にある
  • 10月の消費増税前は前倒しの値上げが考えられるため、物価の伸びはそれほど鈍化しないかもしれないが、増税後はむしろ消費の停滞により物価の鈍化が加速する可能性がある

         
野村証券の棚橋研悟エコノミスト:

  • 押し下げたのはエネルギーと外国パック旅行費と宿泊料。エネルギーは、昨年秋から昨年末にかけて原油価格下落が遅れる形で電気代やガス代に効いてきた
    • 夏ごろにかけてエネルギーの押し下げ効果は残り続ける
    • 外国パック旅行費や宿泊料は4月にかなり大きくインフレ率を押し上げた反動、一時的な影響にとどまる
  • 携帯電話は、これまでに発表されたNTTドコモとKDDIの数字を足し合わせると、コアCPIを0.1ー0.2ポイント程度押し下げる。ただインフレ率の趨勢を決めるような形にはならない
  • エネルギー中心に伸びが鈍化していく中でも、増税と教育無償化が差し引きで若干コアを押し上げ、今の伸びの水準が続く

詳細

  • 上昇は家庭用耐久財(13.9%)、外国パック旅行費(6.6%)、電気代(5.5%)、都市ガス代(7.5%)、下落は携帯電話通信料(4.3%)
  • 外国パック旅行費は0.07ポイント、宿泊料は0.06ポイントそれぞれ全体を押し下げた。4月の一時的な動きが元に戻った-総務省担当者
    • 外国パック旅行費は5月も10連休の影響が残り好調だったが、4月の上昇幅がより大きかったことによる反動が出た
    • 宿泊料は昨年5月の調査日が連休に当たり高かった反動が出た
  • 電気代、都市ガス代は大手の値下げの影響が出た。6月も値下げが続く-総務省
  • 6月は携帯電話通信料で大手の値下げの影響が出る。家族割など条件が付く値下げは調査対象外になる-総務省
  • 5月の全国消費者物価指数は6月21日に発表

背景

  • 原油価格の動向を遅れて反映する電気代、都市ガス代は4月に大手全社が値下げし、6月まで値下げが続く見込み
  • 携帯電話通信料の値下げも始まる。NTTドコモに続き、KDDI(au)も6月から通信料を最大4割下げるプランを発表した
  • 日本銀行の原田泰審議委員は22日の講演で、10月に予定されている消費増税が「景気を後退させ、需要減が物価を引き下げる可能性がある」と述べた
(詳細を追加し、エコノミストコメントを差し替えて更新します.)
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