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米国債利回り曲線、明確に景気悪化を示唆-モルガン・スタンレー

米国債の利回り曲線がリセッション(景気後退)懸念を示唆しているのは間違いなく、貿易戦争は余興にすぎないと、モルガン・スタンレーは考えている。

  利回り曲線の主要部分は今月、3月以来となる逆転が起きているが、モルガン・スタンレーが算出する量的緩和政策を考慮した「調整後」曲線は過去6カ月、常に逆転している。

  実際、この利回り曲線は米中の貿易摩擦が深刻化する前の昨年12月に逆転し、それ以降は逆転現象が続いていると、マイク・ウィルソン氏率いるストラテジストは指摘。貿易問題の解決が世界経済悪化の緩和につながると期待している投資家がハシゴを外される可能性を示唆している。

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Source: Morgan Stanley

  同ストラテジストらは28日付のリポートで、「貿易協定が締結されても、成長面での失望が増える可能性に備えるべきだ」と指摘。軟調な経済指標を背景に2800近辺にあるS&P500種株価指数は2400まで下落するリスクがあるとみている。

  国債利回り低下の原因として挙げられているのは、世界的な通商を巡る緊張や、継続的なヘッジ需要、成長への不安などだ。ブルームバーグのデータによると、利回りが現在マイナスになっている債券は11兆ドル(約1200兆円)近くと、2016年以降で最大になっている。

  景気悪化を示唆する証拠には事欠かないと、モルガン・スタンレーはいう。耐久財や設備投資、購買担当者指数(PMI)に至るまで先週の米経済指標は軒並み市場予想を下回った。それらはすべて、貿易摩擦がエスカレートする前の4月の活動を反映している。

  中国では、4月の経済活動が予想を下回った後、今月に入ってからは景気見通しが悪化した。

  「これは通商交渉の結果に関係なく、米国で景気が減速し、リセッションリスクが高まっていることを意味していると考える」とストラテジストは記述。

  3カ月物と10年債の金利差は29日にマイナス12ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)に低下。3月以降で最大のマイナス幅となった。

  モルガン・スタンレーは、調整後の利回り曲線は株価のボラティリティー上昇も示唆していると警告している。シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー指数(VIX)は、1年平均の16を上回る18前後で推移している。

  調整後利回り曲線は「VIXの先行きを見通す上で全般に良い指標だ」と指摘。「リセッションに陥るかどうかにかかわらず、米株式相場のボラティリティーが今後6カ月に大幅に拡大する可能性が高いと当社は考えている」とした。

原題:Morgan Stanley Says U.S. Yield Curve Now Clearly Spells Downturn(抜粋)

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