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日銀:新法下で過去最高2兆9億円、外為評価益寄与-18年度経常利益

  • 債券取引損失引当金8154億円積み増し、自己資本比率8.71%に上昇
  • 当期剰余金は5869億円に、国庫納付金は5576億円に減少

日本銀行が29日公表した2018年度決算によると、経常利益は前年度比7721億円増の2兆9億円と1998年の新日銀法施行以降で過去最高となった。円安により保有外貨資産の評価益が膨らんだ。これに伴い、異次元緩和の出口で生じる収益の振れをならすための債券取引損失引当金を8154億円と前年度までの倍近く積み増した。

  経常利益を押し上げたのは円安に伴い外国為替関係益が2257億円とプラスに転じたことが最大の要因。3月末の対ドル相場は1ドル=110円85銭と前年同期(106円27銭)から円安になり、評価益が膨らんだ。当期剰余金は前年度比1778億円減の5869億円、国庫納付金は1689億円減の5576億円。3月末の自己資本比率は8.71%(前年度末8.09%)と2000年度(8.98%)以来の高水準となった。

  保有する指数連動型投資信託(ETF)の含み益は3月末時点で3兆9124億円と、前年度末(5兆1460億円)から減少した。保有額は24兆7848億円。量的・質的金融緩和の下、日銀は年間6兆円ペースでETFを買い入れている。

  政策委員室の重本浩志経理課長の説明によると、保有する長期国債を額面を大幅に上回る価格で購入したことによる償却負担は1兆5798億円だった。受け入れ利息は2兆8637億円で、差し引き1兆2839億円が長期国債の利息収入として計上された。

  日銀は量的・質的金融緩和の下で、償還時に戻ってくる元本(額面)を大幅に上回る価格で大量の長期国債を購入し、償却原価法による会計処理で元本を上回る価格で購入した分を償還までに毎年均等に償却している。

  ブルームバーグの試算では、償還までに必要な将来の償却額は11兆2803億円になる。同償却額は日銀が保有する長期国債の簿価466兆6334億円(営業毎旬報告、5月20日時点)と、額面455兆3531億円(銘柄別残高、同)の差額。マイナス金利の導入決定前の6兆1100億円(16年1月20日時点)から大幅に増加した。

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