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マルキオンネ氏の遺志継いだFCA会長、仏ルノーに統合提案

  • FCAのエルカン会長、10年前はクライスラーとの統合発表
  • 日産ゴーン前会長の逮捕がルノーに別の選択肢探し迫った側面も

世界の自動車業界地図を塗り替える統合提案を明らかにしてから数時間後、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)のジョン・エルカン会長はミラノのボッコーニ大学に現れ、同社と フランスのルノー統合のプラス面を強調していた。同じ場所、同じ人物、同じような主張は10年前にも見られた光景だ。2009年1月、エルカン氏は同所でフィアットの米クライスラー買収を発表した。

  当時と同様、今回も根底にある動機は一緒だ。業界がショックに見舞われる中で自動車メーカー各社を守るスケールメリットの構築だ。当時と変わったのは、ショックの種類だろう。電気自動車に自動運転、自動車保有に疑問を感じる消費者、そしてアルファベット傘下ウェイモテスラなど10年前には存在しなかったライバルがいる。大胆な賭けに出なければ、変化の波に足をすくわれる恐れがあるとエルカン氏は述べる。

Fiat Chrysler Automobiles NV Proposes Plan to Merge With France's Renault SA

ジョン・エルカン会長

Photographer: Francesca Volpi/Bloomberg

  同氏は27日、「2009年と同じように、勇気を出して行動した」と語ったが、当時と確実に違うのはセルジオ・マルキオンネ氏の姿がなかったことだ。前最高経営責任者(CEO)だった同氏は昨年7月に病死したが、エルカン氏以上に熱心に統合を追い求めていた。

  両氏は自動車メーカーは技術の重複で無駄な競争をするのではなく、力を合わせるべきだとのメッセージを胸に世界中を飛び回った。今はエルカン氏が1人で、一世一代の合意をまとめようと、トリノとパリをプライベートジェットで行き来した。

Fiat Chrysler Automobiles NV Annual General Meeting

故セルジオ・マルキオンネ氏

Photographer: Jasper Juinen/Bloomberg

  
  実現すれば世界第3位の自動車メーカーが誕生する統合に向けた交渉の詳細について、FCAとルノーはコメントを控えた。この記事は事情に詳しい関係者らによる匿名の情報を基に書かれている。

  FCAは何年も、業界統合で積極的な役割を果たしたい意向を明確にしていた。ルノーもまた、市場の混乱に耐えるには同社だけでは小さすぎると認識していた。同社は電気自動車に強く、日産自動車とのアライアンスのおかげでアジアに強い結びつきはあるものの、重要な米市場での存在が小さく、これはFCAと連携すれば改善される公算がある。

  また、アライアンスを率いていた両社の前会長カルロス・ゴーン氏の逮捕で、日産との将来が危うく見え始めた事情なども、ルノーが別の道を進む緊急性を高めた。この新たな選択肢探しで、ジャンドミニク・スナール会長はFCAのエルカン会長と出会った。エルカン氏がフランス語を流暢に話すこともありここ数週間は携帯電話で頻繁に連絡を取り合ったほか、会食を重ねて統合に向けた細部を詰めた。こうして、FCAは27日、ルノーに統合を正式提案。50億ユーロ(約6120億円)強のシナジー効果をうたった。

FCAが仏ルノーに統合提案-実現なら世界3位のメーカー誕生 (2)

Renault SA Board Appoint New Leadership as Chairman Ghosn Resigns

ジャンドミニク・スナール会長

Photographer: Marlene Awaad/Bloomberg


Auto Megamerger

原題:Marchionne’s Spirit Looms in Merger Plan His Disciple Drove Home(抜粋)

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