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狭まる日産包囲網、交渉力低下不可避-FCAがルノーに統合提案

更新日時
  • ルノーとFCA統合後、日産にも参加呼び掛ける見通し-関係者
  • 3社間のシナジーあるが、力ずくの統合は機能せず-アナリスト

フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)が仏ルノーに経営統合を提案した。統合が実現すれば世界第3位の巨大自動車メーカーが誕生する。日産自動車はこれまでルノーからの統合提案を拒否してきたが、ルノー側の規模が拡大すれば交渉力が弱まりかねない。

Nissan, Renault and Mitsubishi Motors Heads Hold News Conference as Ghosn Seeks to Regain Clout

横浜市の日産本社

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  FCAは27日、ルノーに統合を提案した。FCAの発表資料によると、両社の株主が統合会社の株式を50%ずつ持ち合う内容。昨年実績をもとに計算すると売上高1700億ユーロ(約21兆円)、営業利益は100億ユーロで年間の世界販売台数が870万台程度と世界3位の自動車連合を形成するとしている。統合により年間50億ユーロのシナジー効果が既存のルノーと日産、三菱自動車の3社連合の分に上積みされる見通しで工場閉鎖は行わないという。

  フランスには同国企業の株式を2年以上持つ株主に2倍の議決権を与える「フロランジュ法」があるが、FCAによると、統合会社の株式については同法は適用されないとも記した。

  ルノー取締役会は同日会合を開き、FCAの提案を検討するが、仏政府や市場ではすでに前向きに受け止める動きが広がっている。仏政府の報道官は仏テレビ番組で統合計画を支持する姿勢を表明。ルノーの株価は一時17%高、FCAの株価は一時19%高を記録した。

  事情に詳しい関係者によると、両社は統合後に日産と三菱自動車にも参加を呼び掛ける見通しだ。FCAはルノーが短期的に日産との取引を目指さないと同意することを協議の必要条件にしているという。別の関係者によると、日産は両社間の協議には関与しておらず、協議についてポジティブな考えを持っていないという。日産広報担当者はコメントを控えた。

  一方、日産はカルロス・ゴーン前会長の逮捕を巡る騒動も尾を引いて業績が低迷。営業利益でもすでにルノーを下回っている。日産の筆頭株主でもあるルノーが経営統合を強く求める中、日産側に有利な材料は乏しい。

ピースはくっつく

  FCAは日産の取り込みにも意欲を示す。発表資料は「ルノーのアライアンス・パートナーと協働し、さらなる価値を創造したい」と明記。ルノーとの統合にあたっては、当初は11人の取締役を置くが、ルノーとFCAはそれぞれ4人、日産は1人の候補を出すことを想定しているとした。

  SBI証券の遠藤功治シニアアナリストは発表前の電話取材で、ルノーは欧州、FCAは米国、日産はアジア市場に強みを持つため、統合により「ピース(部分)はくっつく」と分析。ルノーとFCAが持っていない新技術を日産が提供することもできるとも話した。ただ、「日産は統合には反対だろう。徹底抗戦している日産を力ずくで統合してもうまくいかない」と指摘した。

  ルノーは4月以降、複数回にわたって日産に経営統合を提案したが日産は拒否。日産の西川広人社長兼最高経営責任者(CEO)は14日の決算会見でルノーとの外形的な統合は技術や顧客を毀損(きそん)するリスクがあるとして、否定的な見解を示していた。ルノーのジャンドミニク・スナール会長との間でも「今はその議論をする時期ではない」という点で一致していると説明した。

  ルノーは現在、日産株の43.4%を保有して議決権を持っている。日産が保有する15%のルノー株には議決権がないものの25%以上まで買い増せば日本の会社法の規定によりルノーの日産株の議決権をなくすことができるが、ルノーとFCAが経営統合した場合に日産保有のルノー株がどうなるかは不透明だ。

  一方、シティグループ証券の吉田有史アナリストは26日のリポートで、FCA、ルノー、日産、三菱がアライアンスを組んだ場合、コスト削減による収益改善のための機会拡大を見込めるうえ、自動運転など新技術が求められる時代に仲間づくりができると説明。4社連合の緩いアライアンス関係となれば、「日産や三菱の現経営陣の考え方と一致する」と分析した。

(発表の詳細やアナリストの意見を追加して更新します.)
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