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合意なき離脱が再び視野、英次期首相レース開始-5つの留意点

U.K. PM May Explains Brexit Delay
Photographer: Simon Dawson/Bloomberg
U.K. PM May Explains Brexit Delay
Photographer: Simon Dawson/Bloomberg

メイ英首相退陣の日が確定した今、次期首相を選ぶ保守党・党首選レースがスタートした。一番人気は欧州連合(EU)からの強硬離脱も辞さないジョンソン前外相だ。ただ、合意なき離脱はそう単純ではない。留意しておくべきポイントは以下の5つ。

1 次期首相を選ぶ保守党、合意なき離脱支持が多数

次期首相は保守党の党員12万人から選ばれる。議員が候補者を最終2人まで絞り込み、党員が決選投票を行う。ユーガブが実施した最近の世論調査によると、党員の3分の2は合意なき離脱を望んでいる。

2 議会は合意なき離脱に反対するが

議員の過半数は合意なき離脱に反対している。しかしシンクタンクのインスティテュート・フォー・ガバメントによると、合意なき離脱を阻止する具体的なメカニズムはない。次期首相が断固として合意なき離脱を目指し、実現の方法を見いだしたとしても、憲法上の問題が指摘される余地もあり、議員らがこれを阻止の方法を見つける可能性は十分にある。

3 合意なき離脱が総選挙へつながる可能性

議会が合意なき離脱を阻止する方法の1つが、政府に対する不信任投票。保守党は議会で過半数議席を持っていない。従って政権を打倒するのにそう多くの議員票を集める必要はない。強硬離脱派の首相が誕生すれば、保守党内は分裂し、議員離反の可能性は高くなる。

4 結局は2度目の国民投票か

合意なき離脱派の次期首相が総選挙リスクを回避するため、代わりに国民投票の再実施に向かう可能性もある。国民に問われるものは何か。メイ首相の離脱法案が廃案となり、次期首相も新たな離脱案を発表しない場合、想定されるのは合意なき離脱か、EU残留か、という選択になるだろう。

5 合意なき離脱、恐らくは長く持たない

争点のアイルランド国境問題などが解決されない限り、EUとしては合意なしに離脱した英国と貿易協定を結ぶ可能性は低い。そうなれば英国は、EUという巨大市場と貿易協定なしに取引するという機能障害を耐えるしかなくなる。工場が閉鎖され、雇用は失われ、消費は冷え込むだろう。英国が交渉のテーブルへ戻ってくる日はそう遠くないと、EUは予想している。

原題:A No-Deal Brexit Is Back on Table: Five Things You Need to Know(抜粋)

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