コンテンツにスキップする

【日本株週間展望】軟調、米中摩擦と中国景気減速を警戒ー割安感支え

  • 対中関税引き上げ、今来期の企業純利益5.1%押し下げーSMBC日
  • 中国製造業PMIは49.9、米政権は通貨安誘導国に関税賦課を提案

5月5週(27ー31日)の日本株は軟調に推移する見込み。エスカレートする米国と中国の貿易摩擦や中国景気の減速懸念から企業業績の先行きが警戒され、積極的な買いは手控えられそうだ。

  米中貿易摩擦は、米国が華為技術(ファーウェイ)など中国企業に対して米国製部品の調達を事実上禁じる措置を打ち出し、中国が米国に「誤った慣行」を改める必要があると主張するなど激しさを増している。両国政府の交渉再開めども立っていない。SMBC日興証券の試算によると、対中追加関税とファーウェイへの禁輸措置による日本への影響は上場企業の純利益を2年間合計で5.1%押し下げる。

  経済指標は、米国で28日に5月の消費者信頼感指数、中国では31日に5月の製造業購買担当者指数(PMI)が公表される。市場予想は米国の消費者信頼感指数が130.5(前回129.2)と拡大する一方、中国製造業PMIは49.9(50.1)と、3カ月ぶりに活動の拡大と縮小の分かれ目となる50を下回る見通し。日本では31日に4月の鉱工業生産が発表され、前月比0.2%上昇(0.6%低下)が見込まれている。

  27日には安倍晋三首相とトランプ米大統領との首脳会談が開かれる。23日に公表された連邦公報によると、米政権は通貨安誘導していると判断された国からの輸入品に関税を課すことを提案しており、今回の会談でトランプ大統領が為替条項について言及すれば、ドル安・円高に振れやすく、株式市場の下押し圧力となりかねない点に注意が必要。4週の日経平均株価は週間で0.6%安の2万1117円22銭。

日経平均株価の推移

≪市場関係者の見方≫
●SMBC信託銀行の山口真弘シニアマーケットアナリスト
  「米中摩擦は米国が個別企業をターゲットに圧力を強めることに対し、中国が打ち出す報復に不安感が広がりそう。交渉再開には米国が手を緩める必要があるが、その気配はないことから両国が歩み寄る期待は薄く、株式相場には下押しリスクしかない。中国の製造業指標は悪化が予想されており、経済対策による回復期待が腰折れして景気減速への懸念が高まれば、日本株にもネガティブだ。日米首脳会談は友好ムードを演出しながらもトランプ大統領が為替条項に言及すれば円高要因となりマイナスに働く。日経平均は5月の日中安値2万0750円付近まで下落すると、割安感から自律反発が期待される」

●アセットマネジメントOne・調査グループの清水毅ストラテジスト
「大きなイベントに乏しく、米中通商問題をにらみながら横ばい圏の動きになりそうだ。米中関係が日々悪化している状況から、6月までに何かが決まるとは考えにくい。ファーウェイに関連した問題がサプライチェーンにどこまで影響を与えるかも分かりにくい。しかし、昨年12月の株価急落時と決定的に違うのはハト派的な米金融政策と、最悪期を脱した中国景気。米中問題だけの影響ならファーウェイを考慮しても米GDPの下押し圧力は0.5%ポイント程度、景気が腰折れするような状況でない。中国から対米対抗策が発表されると一時的には売られるだろうが、それほど大きな下げにはならないだろう」

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE