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西川社長ら経営陣の後継選び着手、事業安定後橋渡し-日産井原氏

更新日時
  • 日産には次世代のリーダーになる人材たくさんいる-井原社外取締役
  • 「サクセッションプラン」に本格着手、6月の定時株主総会後

カルロス・ゴーン前会長を巡る一連の問題からの立て直しを図る日産自動車は西川広人社長兼最高経営責任者(CEO)以下、現経営幹部の後継者になりうる人材の育成と選定手続きに本格的に着手する。井原慶子社外取締役が23日のインタビューで明らかにした。

Nissan Motor Independent Director Keiko Ihara Interview

井原社外取締役(都内、19年1月)

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  日産の暫定指名・報酬諮問委員会の委員長も務める井原氏は横浜市の本社でのインタビューで西川氏の再任を決めたことについて、「経営の安定や業績のリカバリーに集中しながら日産の土台をしっかりさせて橋渡しする」狙いがあると述べた上で、6月の定時株主総会で人事案が承認されれば、西川社長らの後継候補を選定する「サクセッションプラン(後継者育成計画)」の作業に乗り出す考えを明らかにした。

  井原氏は既に社内の50人以上と面談し、「次世代のリーダーになりうる方がたくさんいる」と感じているという。日産には現幹部以外に経営を担える人材が育っていないという意見を聞いていたが、実際には40代や50代の中堅やさらに上のクラスの幹部でいろんな地域や事業での経験や強いリーダーシップもった人材が国籍、性別を問わず多くいることがわかり、他の2人の社外取締役も同じ認識を持っていると述べた。

  「そんなに遠くない」時期に次の世代のリーダーが日産を担ってくれることを期待していると述べる一方、現在の日産の最優先課題は事業の安定化と業績の立て直しで、西川社長の続投は事業の継続性を重視して決めたという。業績回復に必要な時間については投資家を含めて「何年にもわたってとかいう期待ではない」とし、急ぐ必要があるとの見解を示した。

  日産は17日、西川社長が続投し、ルノーのティエリー・ボロレCEOを取締役に迎えることなどを柱とする新経営体制を発表した。6月に開催予定の定時株主総会で提案する。

「CASE」でリードを

  西川社長については社内外から業績の悪化やゴーン氏の不正を見抜けなかった責任を問う声が上がり、続投に否定的意見もあった。14日の決算会見での同氏の発言内容を評価して期待を寄せる意見が多かったこともあり続投が決定されたという。

  一方、ボロレ氏の取締役就任についてはルノー側から早い段階で推薦を受けていたという。日産の独立性や利益が損なわれることを懸念する意見もあったが、議論を重ねた末に受け入れを決めたという。

  ルノーとの資本構成については4月に日産取締役に就任したジャンドミニク・スナール会長も日産が当面は業績の回復に専念することについてサポートする姿勢といい、ガバナンス改善の動きの中で「資本構成については話し合っていない」と述べた。

  井原氏は、日産は電気自動車の開発や販売で実績があり、電動化や自動運転、シェアリングなど「CASE」と呼ばれる新技術で業界をリードできると強調する。ソニー・インタラクティブエンタテインメントのアンドリュー・ハウス元会長などを含む新経営体制の人選では業績立て直しだけでなく、アライアンスの強化を通じて次世代車の領域で競争力を確保する狙いも込めたという。

  井原氏はルノー出身の取締役には代表権や執行役の肩書はつかず、権限が1人に集中していたゴーン前会長の時代とは違うという。

  「自動車の大転換期の中でアライアンスを強化することが日産の成長にもつながることは間違いない」とし、日産が抱える課題などについて理解してもらうためにもルノーの幹部にも「一緒に入っていただいたほうがスピーディーに実行できる」と話した。

(インタビューの内容を追加して更新します.)
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