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【コラム】米中対立激化は世界の消費者にも再考迫る

  • 生産者も対中依存見直し、サプライチェーンを中国から遠ざける
  • 国家安全保障も絡み、中国製品・サービスに世界中で販売鈍るリスク
relates to 【コラム】米中対立激化は世界の消費者にも再考迫る

Photographer: Justin Chin/Bloomberg

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米中貿易紛争の影響はもはや両国だけの問題にとどまらない。中国の通信機器メーカー、華為技術(ファーウェイ)への禁輸措置は世界中の多くの企業に、中国が絡むサプライチェーンへの依存再考を強いる可能性がある。消費者もまた、中国製の電話に頼ることを見直すかもしれない。誰もが今後似たような展開から身を守ろうとすればするほど、こうした貿易対立は一段とグローバルになり、世界的な経済関係の再編成を招くことになろう。

  関税合戦が分断の進む保護主義的な世界システムの永続的な特徴となるのか、それとも自由だが一段と公正な貿易に向かう道のりの一部なのかは、まだ分からない。だが、すでにはっきりしているのは、以前と同じ状況に戻る公算は非常に小さいということだ。

  米政府が中国側に当初課した制約が示したのは、中国は製品やサービスを売るのに米市場への自由なアクセスをもはや当然視できないというものであり、中国本土で事業を展開する米企業に技術的なノウハウ移転の強制も続けられないということだった。

  米国の新たな対中規制は、もっと大きなメッセージを世界中の企業や消費者に発している。一連の報復合戦は、中国の対米アクセスと米国の対中アクセスを超える幅広い分野まで影響を及ぼすとのメッセージだ。中国企業が製品機能をフルに高める米国の技術を取り込み続けられるのかに大きな疑問符が付くことで、中国製品やサービスの販売が世界中で鈍るリスクが生じる。

  不透明感が高まる中、消費者や生産者が自身を不確実性から守ろうと一段の多様化を図ったりすることはよくある。これは現状では、企業がサプライチェーンを中国から遠ざけ、消費者は米中企業の緊密な調整に頼らなくても機能する製品を選ぶようになることを意味する。

  最初のうち、消費者も生産者もファーウェイ規制で生じる運営や利用について居心地の悪さを感じたかもしれないが、今は懐疑的な見方とリスク回避志向を強めている公算が大きい。現在の通商摩擦が経済問題のみならず、国家安全保障についての懸念の表れだと世界が認識しつつあるためだ。報復合戦のたびに、経済や金融上の措置が武器として一段と先鋭化する。
  
  深まりつつある分断と、ファーウェイ規制を受けて生産者と消費者が行う調整は、米中間で短期的な合意に達したとしても、以前の状態には戻れないことを示している。現段階で中国が現実的に望み得る最善の展開は、自国の経済成長と金融安定、幅広い発展プロセスに深刻な打撃を与えないようにする停戦合意の繰り返しだろう。

  (モハメド・エラリアン氏はブルームバーグ・オピニオンのコラムニストです。パシフィック・インベストメント・マネジメント=PIMCO=の親会社アリアンツのチーフ経済アドバイザーで、PIMCOでは最高経営責任者と共同最高投資責任者を務めました。著書には「世界経済 危険な明日」などがあります。このコラムの内容は必ずしも編集部やブルームバーグ・エル・ピー、オーナーらの意見を反映するものではありません)

原題:U.S.-China Trade Clash Has Now Gone Global: Mohamed A. El-Erian(抜粋)

    This column does not necessarily reflect the opinion of the editorial board or Bloomberg LP and its owners.

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