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Photographer: Mark Wilson/Getty Images

200年前の戦争に学べ-冷戦とも日米摩擦とも異なる米中貿易対立

更新日時
  • 対比すべきは1812年の米英戦争での米国の視点-アーウィン教授
  • テクノロジーを巡る新たな冷戦の可能性を懸念
ST. LEONARD, MD - SEPTEMBER 28: A group of War of 1812 re-enactors dressed as British soldiers load their muskets before a simulated scrimmage with U.S. soldiers at Jefferson Patterson Park, September 28, 2003 in St. Leonard, Maryland. During the war British ships came up the Patuxant River attacking and burning small towns on their way to Washington, DC. (Photo by Mark Wilson/Getty Images)
Photographer: Mark Wilson/Getty Images

トランプ米大統領が中国を相手に仕掛けた貿易戦争が激しさを増す中で、中国人は19世紀のアヘン戦争とそれに続く屈辱の時代を想起している。米国では旧ソ連との冷戦や1980年代の日本との貿易摩擦になぞらえる向きもある。

  だが米ダートマス大学で米国の通商政策などを研究しているダグラス・アーウィン教授によれば、最も対比されるべきは1812年の米英戦争における米国の視点だ。貿易戦争が実際の戦闘に転じたこの戦争は「第二次独立戦争」と呼ばれた。

  米国では当時深く結び付いていた英経済からの分離を求める声が広がったが、これは米国にとって実存的な問い掛けであり、中国に絡んで米国が今求めていることに似ているという。米国は「敵対する大国として見ていた英国への依存を減らしたかった」と同教授は述べる。

Global trade was hit more severely in the last recession

  当時の米政府は自国にとって戦略的だと見なした産業を守るため、英製品の関税を引き上げ始めた。これが英国が輸出する安価な産品からの保護を求める米製造業の要望に転じ、この問題は19世紀を通じた政治的テーマとなった。

  現在の米中貿易戦争について、アーウィン教授は短期的に解決する可能性は低いとみている。「経済体制の変更を実際に要求したとしても、特に中国のように国家主義的で自尊心の高い国なら、要求を受け入れることはないだろう」と語る。

  同教授が恐れているのは、テクノロジーを巡る新たな冷戦の可能性だ。ソ連は米国にとって経済的には真の脅威ではなかったが、米国は1980年代の日本をまさに経済的脅威として捉えていた。だが、対日貿易戦争を闘ったレーガン政権は今とは全く違う手法を採用したと同教授は説明。レーガン政権が自由貿易を強く提唱し、研究開発強化や米国の競争力向上といった攻めの政策を重視したのに対し、トランプ政権はこれまでのところ関税などの防衛的な経済手段に訴えている。

  アーウィン教授は80年代の日本は米国との「すでに何年もの交渉を経て、今の中国よりずっと市場志向が強い経済だった」と指摘。それでも日米貿易摩擦の解消には時間がかかった。同教授の言うように、中国との早期解決を期待することは難しいのかもしれない。「ここでのリスクはもっと大きい」と話している。

原題:Trump China Feud Hearkens to Another Trade War Two Centuries Ago(抜粋)

(最終段落に発言を追加して更新します.)
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